企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

企業漫画の限界と可能性4・説明漫画ではダメな理由

f:id:eitihinomoto:20200418134426p:plain

漫画のタイプ

 企業は漫画家個人ではなく、漫画の編集者と契約すべきとお話ししました。

 とくに、企業グループを形成するクラスの大企業であれば、確実に漫画編集者と契約し、ネットに漫画雑誌を展開して雑誌のブランド力を高め、より多くの読者を獲得する戦略の方が効果は高いのです。

 では次に、『どういったタイプの漫画』が、企業の商品やサービスをアピールできるかを、見ていきましょう。

説明漫画ではダメなワケ

 一番に思いつくのが、商品やサービスを説明する『説明漫画』です。

 ですが、これがダメなんです。
説明漫画は完全にダメと言うワケではないですが、効果が非常に薄いのですよ。

 コ、コイツ、何言ってんだ・・・と思われましたか?
ですが、説明漫画ではダメな理由が、ちゃんとあるんです。

 説明漫画を依頼された経験のある、宣伝広報部の方でしたら、何となく気付いている方もいると思います。
説明漫画では、大した効果はないのでは無いかと。

 漫画をご自分でチェックもして、商品もしくはサービスの説明も、ちゃんとキレイにされてるのに、何故か効果が薄い。

 そう思った経験はありませんか?
実はこれ、当たり前なんです。

 理由は、説明漫画には『決定的に足りないモノ』が、あるからなんです。
説明漫画に足りないモノが何か、お解りでしょうか?

 実は『面白さ』が決定的に足りないんです。

面白さが必要な理由

 え?
説明漫画なんだから、面白くなくても別に構わないのでは・・・とお思いかもしれませんが、実は大いに構うんです。

 なぜなら読者は、『面白い漫画だから読む』のであって、単に漫画にしたから読むなんてことはありません。

 確かに漫画は、商品やサービスをわかりやすく説明するのに、向いています。
ほとんどの説明漫画は、その辺はクリアされていると思います。

 でも、漫画雑誌に連載されている名作漫画にはある『読ませる力』が、説明漫画には無いのです。

 説明漫画が載っていたところで、その媒体を手にしようとは思わないでしょう?

 ボクはこの『読ませる力』を、『引力』と呼んでいます。
著名な名作漫画には、絶大な『引力』があるのですよ。

 引力は時に、『時代や常識すら変える力』を持っていました。

漫画の引力が及ぼした影響

・『ヒカルの碁
 この漫画では、小学生の子供にまで囲碁を打たせる引力がありました。

 囲碁はそれまで、年配者のやるイメージがどうしてもありましたが、それを子供にまで普及させ、囲碁ブームを巻き起こしたのです。

 さらにはネットを通じて囲碁を打つ、海外の方も増えました。

・『キャプテン翼
 この漫画では、全国的にサッカーブームが起き、毎朝ボールを蹴りながら登校する小学生までいました。

 彼らの中から多くJリーガが生まれ、そのうちの何人かは『大空翼』のように、世界へと羽ばたいて行きました。

・『弱虫ペダル
 この漫画を読んだ若者は、自動車よりも自転車にお金をつぎ込むようになりました。

 言い方を変えると、あの世界のトヨタから客を奪ったのですよ。
こんな芸当は、とてつもない宣伝費をかけたとしても、ほかの宣伝媒体では起こり得ないでしょう?

 でも説明漫画には、こんな芸当はできません。
なぜなら説明漫画には、面白さ=引力が決定的に不足しているからです。

次回

 では、『引力』とは、何なのか?
どうして有名な名作漫画には、そこまでの爆発的ブームが起こせるのか?

 それは次回、お話できればと思います。

 

 前へ   目次   次へ