企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)009話

「じょ、じょーだんっスよ。やだなあ」

原田妹は言ったが、ボクには冗談には聞こえなかった。

 

「まあ、オレから誘ったんだ。ただし、中は荒らすなよ?」

釘を刺して中に入れたが、四人の女子高生探偵は本棚の奥や、タンスの向こうから、本や映像コンテンツを探し出す。

 

「なんか、割と普通っすね。これじゃベタ過ぎて、逆に使えないっス」

「人の家に上がって、散々荒らしておいて、何を言ってやがる」

彼女たちから取り上げた本などを、台所に持て行って流し台の下に隠す。

 

「おっ、こっち来てみ、原田」「最後の砦、パソコンっすか」

「動画ファイルの拡張子で内部検索かけたら、こんな動画やこんなのまで」

「ほほーう。お兄さん、やっぱ変態っすね」

 

「グギャアアーーーッ! 止めろォ、お前らぁ!」

ボクはパソコンの前に回り込んで、画面に表示された動画やファイルを消した。

「鬼か! 悪魔か! やっぱお前らなんか、家に上げるんじゃなかった」

 

ボクが心底後悔していると、原田妹が言った。

「これが、お兄さんの作った、ネット漫画のサイトですか?」

パソコンの画面には、ボクがホームページ制作ソフトで作った、ネット漫画雑誌が表示されていた。

 

「あ、ああ。タイトルも含めて、まだプロトタイプだけどね」

「そうっスか。でもまあ、それなりに漫画雑誌には見えるっスね」

「実際には、ただのホームページなんだが」

 

「それじゃあ、まずは雑誌のタイトルから決めてみるのは、どうっスか?」

「そうだな」「なにそれ、面白そう」「やっぱタイトル大事っしょ」

女子高生たちは、ずいぶんとやる気だった。

 

「で、お兄さんは雑誌の名前、何か考えてあるんスか?」

インターネットマガジンDA王・・・なんてどうかな?」

「DA王っスか? 正直、『ダ』ってイメージ悪くないっスか?」

「駄作とか、駄菓子とか、駄目とか、ネガティブなイメージっしょ」

「た、確かに・・・」

ボクのアイデアは、いきなり却下された。

 

「でも、インターネットマガジンってのは悪くないっス」

「副題はともかく、本題を決めないと・・・」

「ちなみに、この雑誌の方向性はどうなんスか? やっぱ、少年誌で行くっス?」

「ボクが読んできたのが、少年漫画だったからね。基本はそっち路線かな」

 

「お兄さん的には、この雑誌に企業の漫画を連載させたいんっスよね?」

「最終的にはね」「少年漫画で企業っていうと、車とかバイク、家電っスか」

「うわあ。わたし、車とか描くの苦手ェ」「バイクなんてもっての外っしょ」

確かに少女漫画に載ってる車やバイクの絵の完成度は、低い気がした。

 

「化粧品とかにしない?」「エステとかさ」「それを少年誌でか?」

ボクは腕を組んで悩んだ。

 

「まあ今日のところは、漫画を完成させるっス」

「確かに今日は、漫画を描きに来たワケだしね」「やるっしょ」

 

「企業とか考えるのは、これからで十分・・・か」

ボクは目の前の漫画制作作業を、手伝う事にした。