企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)039話

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千鳥歩く

ボクは、自ら大事なモノを壊してしまった。

 

それは、子供のころから大人になるまで、ある程度の頻度で繰り返してきた行為ではあった。

例えば、オモチャだったり、部活や塾を辞めたり、友達との関係だったりだ。

 

だが今回、決定的に違ったのは、自分が真剣になって取り組み、人まで巻き込んだ結果、それなりに形になっていたモノだったからだ。

 

「結局、アイツらが卒業したら、消えてしまうモノなんだ。そんなに未練に思うモノでもなかろう?」

 

ボクは、半年ぶりくらいに、ビールを飲んだ。

酒の量販店で、500ミリの缶を3本買って、ボロアパートに帰って飲み干す。

 

「そうだな。しばらく、旅にでも出るか?」

ボクは、なるべく夜遅くに駅へ行くと、電車に乗った。

 

暗い中を、警報機やら車の明かりやらが、後ろに流れて行く。

「ついこの間まで、けっこう上手く行ってたのに……なんでかなあ?」

 

酔っていたのと、精神的に疲れていたのと、寝不足で全然頭が回らない。

「電車なんかに乗って、どうするんだ? とりあえず、街の中心でビジネスホテルでも取って、寝よう。それからのコトは、そこで考えよう」

 

ボクは、ビジネスホテルまでのミッションを実行した。

街の中心は繁華街で、多くのビルが建ち並び、ビジネスマンたちが往来する。

 

財布とスマホ以外は、何一つ持たずに出てきたボクは、ビジネスホテルに部屋だけ取って、夜の街へと繰り出した。

 

「さて、また何か飲むか? 何がいいかな?」

とは言っても、そんなに持ち合わせは多く無い。

ボクは、焼き鳥屋で焼き鳥を買って、別の店で手羽先を買う。コンビニでビールと酎ハイと、ハイボールを何本も買うと、ビジネスホテルに帰った。

 

「ここの砂肝、めちゃくちゃ旨いな。ぼんじりは、コンビニのが旨い気がする」

焼き鳥を味わいながら、酎ハイとハイボールを開ける。

手羽先は、ここの店の塩コショウが効いたのが、一番旨いよな?」

ビールには、濃い目の味付けがあった。

 

急に頭に、酔いが回って来た。

 

「はうぐ……流石に、飲み過ぎたか?」

 ボクは、ベットに倒れ込む。

「ま、そうでもないか?」

 

ぼんやりとする、意識。

日々、プレッシャーを感じていたのだろうと、この時初めて実感する。

 

「ま、いいか。終わったものは、終わったんだ。今さら、どうにもならん」

ボクはそのまま、寝てしまった。