企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)016話

家に帰ったボクは、『掲載する漫画のクオリティアップ』の項目に、以下の注意文を書き加えた。

 

・漫画について意見を言うのであれば、自分の好みじゃなく、その漫画についての意見を言うってコト

 

・漫画に対して提案するのであれば、その提案がストーリーにどう影響を及ぼすかを考えた上でするコト

 

「これで良しっと」加筆したテキストファイルを、パソコンに保存する。

「こうやって文章にしてみると、どっちも当たり前のコトだよな」

でもボクは、その当たり前のコトが解っていなかった。

 

「漫画ってのは一般人が思うより、遥かに考えられて作られているんだな。それに一般人との認識が、かけ離れてるのが気になるな」

 

これから企業を相手に商売をする場合、相手の責任者にも、ボクと同じコトが起きうるのだと感じた。

「恐らくこりゃ、毎回説明するハメになりそうだな。しかも、相手が聞き入れてくれるとも限らない。相手が頭ごなしに、自分の意見を押し付けてくるヤツだったら、原田妹は漫画を描くのを拒否するだろうな」

 

ボクはノートパソコンに、認識の乖離から起きそうな事案を羅列した。

「相手が優柔不断でも、漫画に対して無知であってもダメだ。資金のある企業でなくてはならないし、決定権のある人物が複数いても困るワケだ」

ボクはいつの間にか、天井を眺めていた。

 

「いっそ、こちらに丸投げしてくれる企業だったら、どんなに有難いか・・・」

思いまぶたを閉じようとした時、スマホが鳴った。

見ると原田妹からの連絡で、明日漫画を完成させるから、またウチに来てもいいか・・・という内容だった。

 

「まだ企業に相手にしてもらえて無いのに、あれこれ考えても仕方がない。とりあえずは、完成した漫画を雑誌に載せるコトに集中しよう」

ボクは明日の準備を開始した。

まずはUSB駆動の安物スキャナーを、パソコンに繋いで認識させる。

 

「あー、何やってんだろうな、オレ・・・」

準備の大半は、本や光学メディアを隠すコトと、動画ファイルを光学メディアに焼いて、パソコン本体からは削除する作業に充てられた。

 

「お疲れ~っス。お兄さんニートだから、大して疲れてないっスか?」

翌日、原田妹が三人の友人を引き連れてやって来た。

「うるさいな。否定できないのが辛いところだが、こっちも無職じゃないぞ。一応はフリーランス・・・」

 

「はいはい、お兄さんの言い訳を聞きに来たワケじゃないっス」

「さっそく、始めますか」「仕上げっしょ」「気合入れて、頑張る」

四人はボクの意見など無視して、漫画の制作作業に入った。何日かぶりに、ボクの部屋にインクの匂いが漂う。

 

「ふう、やっと1ページ完成っス」「お疲れさま。じゃ、さっそく・・・」

ボクは原稿を受け取ると、近所のコンビニにコピーに走る。

原田妹が言うには、原稿は液体であるインクの影響で歪んでいる場合もあるらしく、コピーをしたモノの方がスキャナーに乗り易いとの事だった。

 

「アレ、ポテチはっス?」「ジュースは?」「デザートは?」「焼き鳥・・・」

ボクは再び、コンビニに走るハメになった。