企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)038話

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現実という名の絶望

「結局、どうなんだ? ボクは、夜吸さんのコトを酷いヤツと思っていたケド、ひょっとして、ボクの方が酷いヤツなんじゃないのか?」

 

「ボクは原田妹や市川さんに、正当な報酬を渡せてないでいる。彼女たちが受け取るべき報酬は、カレーとか、ハンバーガーとか、中古パソコン程度のモノでは無いハズだ」

 

「漫画は、描くのもハード。ストーリーを生み出すのも、楽じゃない。それなのにボクは、彼女たちの貴重な青春をかなり浪費してしまっている」

 

「普通の漫画家と契約した場合、ボクは到底、漫画家が要求する金額を払えない。でもボクは、彼女たちに相当長い時間、漫画を描いてもらっている」

 

アフィリエイトで儲けるのだって、いくらになるのかも解らない。例え金になったとしても、それって元々、彼女たちが自分の魅力で得るハズの金を、ボクがせしめてるだけじゃないのか?」

 

「これじゃあまるで、酷いブラック企業じゃないか? いや、酷いブラック企業ですら、もう少しは何とかなってるんじゃないのか?」 

 

「税金の支払い、経理、他の会社との付き合い、何一つ、出来てないじゃないか?」 

 

「今は彼女たちが、女子高生だから何とかなっている。でも、彼女たちだって、永遠に女子高生では無いんだ」

 

「どうする? このままじゃあ、ネット漫画雑誌の運営を続けて行けなくなる」

 

「夢を見せておいて、現実を見せ、絶望に突き落とす・・・コンビニで、ボクが言ったセリフだ。今のボクは、現実が絶望なんだ」

 

 その日、いつもの布団の中は、絶望で満たされていた。

 

朝まで、一睡もできなかった。

けれども、結論も、改善方法も、良いアイデアも、何一つ浮かばない。

 

「少しずつ・・・でも、前に・・・」

 

ボクは、いつの間にか眠っていた。

目を開けると、そこには原田妹の顔があった。

 

「お、お兄さん・・・なんか、あったっスか? うなされてたっスよ?」

「あ・・・ああ。ちょっとね」

「目の下、クマ出来てるっス」「うるさい・・・」

 

「え?」「出てってくれないか?」

「はあ、今日は漫画を・・・?」

 

「出て行けッ!」

 

原田妹は、ボクの頬を平手でおもいきりひっぱたいた。

 

「あ~あ、やっちまったなあ」

ボロアパートから、足音が遠ざかって行った。

 

「仕方ないか・・・オレ、元々ニートだし・・・」