企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)098話

アーケードの上 「できる男とは思ってないケド、ヴァンパイア探偵は高校時代から温めていた作品なんだよ」 ボクは言った。 「そうでしたか……構想の積み重ねからして違うと?」 今井さんが、仰々しく返す。 「いや、そんな偉そうなモンじゃないよ。本屋で推理…

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)097話

推理モノの描き方 ボクは繁華街の電気店で、二人の女子高生がレジに並んでいるのを見かけた。 ボクが原作の『ヴァンパイア探偵』を描いてくれている萩原さんと、そのアシスタントをやってくれている後輩の今井さんだ。 「あ、萩原さんたちも来てたんだ。さっ…

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)096話

第十世代CPU 「そういえば今井さんって、漫研入ったの六月だったよね?」 わたしは、隣を歩く後輩に質問する。 「そうですね、自分は漫研って原田先パイみたいな人が、同人っぽい作品描いてるイメージしか無くて、ちょっと敬遠してたんですよね」 「まあ…

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)095話

探偵モノ 「でも、背景にデジタル素材を使えるとなると、作業が一気に楽になりますよね?」 今井さんが言った。 「そうだね、背景ってマジで描くの、時間がかかるからなあ」 「それに、上手く描けませんしね……」「確かにね」 休息を終えたわたしは、スマホで…

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)094話

後輩は探偵? 今日、わたしのマンションに来てるのは、後輩の今井さんだけだった。 「萩原先パイ、背景上がりました」 「早いね、今井さん? ビルとか描くの、大変だったんじゃない?」 「それがですね。この間、社長に教えて貰ったテクニックを使ってみまし…

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)093話

漫画の原動力 「オイ、入るぞ。お茶持ってき……」 「……ッ!!?」 次の瞬間、アタシの脚は兄貴のミゾ落ちにめり込んでいた。 「グハァッ!? ……な、なんで……お前が買って来いって……!?」 辺りに、コンビニの袋から飛び出した、ジュースやポテチが散乱する。 …

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)092話

腐ってやがる…… 「けっきょく、漫画を描くのに漫画から離れて、一から何かを始めるってのは、どうかと思ったっス」 アタシは、自宅の自室に呼んだ鷹詞に、恐る恐る言ってみた。 「アタシが一番詳しいのは漫画っス。なら、漫画の世界について描けば、いいんじ…

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)091話

漫画家の苦悩 「漫画以外って言っても、なにするっスかねぇ?」 アタシは、とりあえず腕を組んで考えてみる。 とりあえず、家の本棚にある本を読んでみる。 「アッハッハッハ、この漫画やっぱ面白いっスねえ」 面白い漫画は、何度読んでも面白いと思った。 …

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)090話

残暑を乗り切るハンバーグ 海から帰ると、再び忙しい日々が待っていた。 芽美と付き合い始めたボクはファミレスで、彼女の新たな連載を共に考える。 「どんなのが良いっスかねえ、鷹詞?」 「なにか、ため込んであるアイデアとか無いのか?」 「あるにはある…

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)089話

夏の海 太陽がギラギラと輝き、波の音が囁き潮風が香る。 可愛らしい水着や、魅惑的なビキニを着た少女たちが、波間に戯れた。 「お前んトコの地味な女子高生たちも、水着を着せるとまあ絵になるな」 ビーチパラソルの下で、チェアに寝転がった夜吸さんが言…

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)088話

入院 次の日、ボクは熱を出して倒れ、病院に担ぎ込まれる。 救急車は、芽美が呼んでくれた。 「まったく、ただの風邪と過労なのに、倒れ方が大袈裟なんスよ!」 「面目ない……」 芽美が不器用に剥いてくれたリンゴをかじっていると、夏休み中の女子高生たちが…

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)087話

続けられなかった漫画 「芽美……お前、こんなところで、何やってんだ……」 夜の雨はまだ降っていたが、ボクの心は安堵感に満ちていた。 「お兄さんを、待ってたんスよ……」 芽美は、言った。 「そっか……ゴメンな。話をちゃんと聞いてやれなくて」 ボクはビショ…

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)086話

夜の雨 「芽美は……ボクが、プレッシャーに押しつぶされて、ネット漫画雑誌から逃げ出したときも、こんなボクをビジネスホテルまで迎えに来てくれた……」 ボクは電車に乗って、ビジネスホテルに向かった。 受付やロビーも探し、自分が泊った部屋を見せてもらっ…

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)085話

いつものコンビニの、いつもの入店音が鳴り、自動ドアが開く。 芽美の行方 「芽美……こんなところには、居ないか?」 いつも偶然か必然か、誰かと出会うフードコートに向かう。 「おう、どうした? 写真の使用はOK貰えたか?」 居たのは、夜吸さんだった。 「…

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)084話

原田(兄) 「オレは……大事なものを、おろそかにしてたのか?」 高校生ともなれば、色々な場所から高校へと通って来る。 原田 芽美の家は、萩原さんのマンションからはかなり遠かった。 ボクは一度、地下鉄に乗り込む。 「こんなに……焦る必要なんて、無かっ…

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)083話

二つのサッカー漫画 グンナーさんは、緻密なデザインもこなす、プロのデザイナーである。 グンナーさん的には、もっと上手く簡単に描けると思ったのだろう。 「な、なんかグンナーさん、めっちゃ落ち込んでない!?」 大野さんが言った。 「シッ、このコは思…

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)082話

見せのコマと抜きのコマ 「オー、これで完成ですか?」グンナーさんが、質問してきた。 「いえ。今は市川さんが描いた原稿を取り込んで、それに大きさとパースを合わせただけですね」 デジタル処理でハメ込むといっても、簡単では無いのだ。 「これから、微…

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)081話

写真の漫画化 萩原さんのマンションには、地下駐車場があり、昼間の時間帯で来客用の駐車スペースが開いていた。 グンナーさんは豪快に車を止める。 ロビーで萩原さんに連絡して扉を開けてもらい、部屋まで向かった。 インターホンを鳴らすと、中から直ぐに…

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)080話

スウェーデンからの来訪者 「えっと……外国の方ですよね?」 「日本に住んで、十年になりマース。日本の山、とてもキレイね。日本人の奥さんと知り合ったのも山ね」 片言っぽい日本語ではあったが、意味は十分伝わった。 「あの、グンナーさんは、どちらの国…

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)079話

商業デザイナー ボクは、大野さんたちと別れアパートに戻ると、敷いたままの布団にダイブする。 「ふう~、疲れた。でも、芽美たちの漫研も、優秀な後輩をゲットしてたんだ」 仰向けになって、汚れた天井を見ながら思った。 「これでウチの雑誌も、来年も安…

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)078話

描きたい漫画 「正直に言えば、ボードのデザインを描くのだけで、三日くらいっかかりそうですよ、社長?」 田中さんが言った。 「だよなあ。それに、あんまり複雑に描くと、動きが消える」 「え? そうなんですか?」 「ああ。アニメでも日本のアニメは、動…

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)077話

三人の後輩 「さ、さすがは社長。見事なアドバイスです」 大野さんの後輩の、田中さんが言った。 「自分もそう思います。原作を描いて、編集もできて、担当もこなせるなんて」 今井さんも、なにやら瞳を輝かせている。 「やっぱできる人は、違うね。クラスの…

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)076話

先パイの悩み 「こ……これは!!?」 手渡されたネームは、かなりビミョーなできだった。 「えっと、主人公の女の子が、宇宙の多目的競技の選手で……色んな惑星を周って……え!?」 「ど、どうかな、お兄さん?」 「う~ん、ちょっとこれはまだ、練りが足りない…

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)075話

先パイと後輩 「宇津井さん、頑張ってくれるといいんですケド」 「ま、そう悲観的になるなって。ああ見えて、宇津井さんはできる人だぜ」 夜吸さんは、そう言うと街の人ごみの中へと消えて行った。 「今日は、他に案件でもあるんだろうか? 夜吸さん、ずいぶ…

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)074話

漫画の制作時間 その日、ボクは税務署から帰ると、布団に転がり込んだ。 「メ、メンドクサイなんてもんじゃないな……税金って。なんで収める側が、こんなに苦労しなくちゃいけないんだ?」 布団に突っ伏していると、机に置いたスマホの着信ランプが光っている…

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)073話

青色申告 ボクは、山口さんと税務署に入った。 税務署の建物は、建てられてからかなりの年数が経過していたが、昔ながらの重厚感があった。 「まずは、お兄さんの立場ですが、今風に言えばフリーランスですが、税務署的に言えば『個人事業主』になります」 …

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)072話

株式投資とアフィリエイト 翌日ボクは、山口さんと会っていた。 「ゴメンね、山口さん。自分の漫画もあるのに」 山口さんは、ファンタジー世界の株式漫画を描いていた。 「実は、自分のブログに連動させて儲けも出しているのですよ?」 「え、そうなの?」「…

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)071話

中小企業のやること 正直、ボクは疲れていた。 「やっぱ、中小企業の社長さんの大変さが解るよ。時給換算すれば、確実にバイトのが時給高そうだ」「マジで!?」 ボクのネット漫画雑誌は、ボクが当初思ってたよりも成功している。 けれども今のところ安定し…

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)070話

漫画の精密描写 夜吸さんは、相変わらずテキトーなコトを言いながらも、ボクたちを本当に焼き肉に招待してくれた。 「やっぱ、お前は使えるわ。まあ、喰え。市川ちゃんも、遠慮しなくていいよ」 「は、はい。では、いただきます」 市川さんも、緊張の糸がほ…

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)069話

スノボサムライのライバル 翌日、ボクは授業の終わった学校帰りの市川さんと合流し、大手スポーツ用品ショップの運営会社の本社へと向かった。 「まあウチとしては、ウチのボードを出来るだけカッコ良く使ってくれればなあ……ってくらいですね」 打ち合わせの…