企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)081話

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写真の漫画化

 萩原さんのマンションには、地下駐車場があり、昼間の時間帯で来客用の駐車スペースが開いていた。

 

グンナーさんは豪快に車を止める。

ロビーで萩原さんに連絡して扉を開けてもらい、部屋まで向かった。

 

インターホンを鳴らすと、中から直ぐに萩原さんが出てきた。

「はじめまシーテ。わたし、グンナー・ノールダール言います。可愛らしいお嬢さん、ヨロシクね」

 

「あ、どうも。萩原です。お兄さんも、ウチは今日が初めてだよね?」

今まで行ったことのあるのは、原田の家でもある芽美の家くらいだった。

「そうだね。今日、ご両親は留守なの?」

 

「ウチはいつも留守だよ。それより、グンナーさん。気を……!?」

「WOW!!?」大きな音と共に、大柄なスウェーデン人が頭を押さえる。

 

「うあ、背が高いから、上気を付けてねって言おうとしたのに……」

時即に、遅かった。

 

「だ、だいじょーぶね。日本すんでから、しょっちゅーね」

それは逆に、大丈夫じゃない気がした。

 

「お邪魔します」気を取り直して、中に入る。

「みんな揃ってるね」

辺りを見回すと、七人もの女子高生が顔をそろえていた。

 

萩原さん、山口さん、大野さんの三人に、後輩の田中さん、今井さん、池田さん、それに市川さんがいた。

 

「あれ、芽美は今日も休み?」

けれども、原田 芽美の姿はそこには無かった。

「あのコ、最近自分の漫画の人気が落ちてるって、悩んでるのよ」

 

山口さんが言った。

「そっか。それで相談を……」

ボクは、芽美から相談を受けていたコトを、やっと思い出す。

 

「それよーり、わたしのデザインしたボードの漫画を、描いてくれるのはどのお嬢さんデースか?」

 

「は、はい。わたしです」

髪型を子供っぽく変えた市川さんが、チョコンと手を挙げる。

 

「でも、写真を貸して貰えたんだろ? 今日はお兄さんが、写真を漫画風に加工できるソフトの使い方を、教えてくれるって……」

「ああ、フリーのソフトだけど、かなり高性能なんだ」

 

ボクは、市川さんと、萩原さん、今井さんに、ソフトの使い方を教えた。

「萩原と今井さんの、デジタル漫画師弟コンビに教えるのは、合理的ね」

山口さんが言った通りの意図だった。

 

「なる程ォ。これ、ウチらの漫画にも、使えるじゃん!」

「そうですね、師匠。自分が背景とか、写真撮って来ますんで、ガンガン漫画風にしちゃいましょう!」

 

「でもまずは、グンナーさんのスノーボードからだ」

「こりゃまた、とんでもないデザインだね?」

萩原さんが驚くのも無理が無いくらい、緻密で計算されたデザインだった。

 

「まずは写真を、スキャナーで取り込んで……」

「写真じゃなきゃダメなの? カタログとかでも、いい気もするケド?」

大野さんが、疑問を口にする。

 

「印刷物は、スキャンすると『モアレ』が起きるんだ。写真と違って、よく見ると小さなドットで構成されてるからね」

「ふえ?」「だからぁ」大野さんは、山口さんから説明を受ける。

 

「とりあえず、取り込めた。あとは、早い段階でキャラクターの構図に合わせて、バースを調整して……こんな感じかな?」

 

「ワァ~オ!!?」グンナーさんから、驚きの声が上がった。