企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)101話

f:id:eitihinomoto:20190903232717p:plain

猫カフェ漫画

山口さんが、ボクのネット漫画雑誌を去ってから、一週間が経過した。

 

「ど、どうでしょうか、お兄さん?」

ファミレスの席から身を乗り出して、迫る大野さん。

 

「うん。キャラはカワイイし、背景も頑張ったね。話もほのぼのとして、温かみがあっていいと思うよ」

ボクは大野さんから、はじめて漫画の原稿を受け取った。

 

「ウチの雑誌には無かった、日常系の4コマ漫画だ。読者がどんな反応をするのか解らないケド、楽しみだ」

 

「は、はい」大野さんは、達成感のある笑顔を見せる。

「ムムム……猫カフェ美人姉妹漫画とは、大野もやるっスねえ?」

大野さんの隣に座っていた、芽美が眉間にシワを寄せた。

 

「芽美の方は、順調なのか?」

「そ、それがっスねえ……あの時は勢いで行けるって思ったっスけど、いざネームにしてみると、どうかと……」

 

ボクは、芽美からネームやキャラデザを受け取った。

「う~ん、芽美の絵柄だと、ネット漫画雑誌を立ち上げるリアリティってか、そういうのが描けて無い気がする」

 

「クゥ……ずいぶんと痛いトコ突くようになったっスね」

芽美は、ボクをギロっとにらんだ。

 

「確かにそうなんスよ。どうも、キャラに実体感が無いっていうか、ストーリーが上手く流れないっていうか……」

 

 「言われるとストーリーにも、エンターテイメント性が無いよな。単にストーリーが進むだけじゃ、読者は付いてこない」

「そおっスねえ。キャラも展開も、イマイチな気がしてきたっス」

 

「これ……つまんない」

芽美のネームを読んでいた、大野さんが言った。

 

「グハッ!? ま、まさか大野に言われるなんてっス……」

さすがの芽美も、意気消沈する。

 

「正直に言うと、これじゃSNSでまた叩かれる気がする」

「ちょっと彼氏、少しはなぐさめてくれてもいいッスよ!?」

「そうは言っても、判断するのは読者だからなあ」

 

「まあ、そんなんスよねえ。SNSでしか反撃できない漫画家なんて、情けない限りっスからねえ……」

芽美もSNSで叩かれたコトが、トラウマになってるようだ。

 

「そうだなあ。まずは絵柄……前回の軽い感じのサッカー漫画ならともかく、今回はある程度のリアリティが要求されるだろ?」

「でも、萩原みたいなリアル寄りの絵は、描けないんスよ……」

 

「ヴァンパイア探偵が成り立ってるのも、あのリアルな絵柄のお陰だしな」

すると目の前の席で、彼女がホッペを膨らませて、こっちをにらんでいる。

 

「そ、そうだなあ。あそこまでリアルにする必要も無いケド、例えばこれくらいのリアルさなんて描けない?」

 

ボクは芽美に、流行りのアニメの画像が映ったスマホ画面を見せた。

 

「ん……たぶん描けるっすよ?」

芽美はコピー用紙に、一瞬でキャラを描いてみせた。