企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)102話

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著作権

「やはり作画は、お前が一番早いな」

ボクは、芽美が描いたアニメのキャラを眺める。

 

「萩原や山口も、今でこそキャラも描いてるっスけどね。一年のときは、先輩のアシでキャラ描いてたの、アタシくらいっスから」

 

「確か芽美って、市川さんと同じ中学で漫研だったんだよな?」

「そん時も、正式な部活ってワケじゃ無かったっスよ」

 

「完コピはマズイと思うが、ここからアレンジしてみたらどうだ?」

「でも、どっからがアレンジで、どっからがパクリなんスかねえ?」

 

著作権法では、よほどデザイン性が高く無いと、他人の作品に関与はできないみたいだぞ……詳しくはないが」

 

「どゆことっス?」疑問符を顔に浮かべる芽美。

「わ、わかりません、お兄さん!」大野さんも言った。

 

「えっと、だから……芽美の描いた漫画のキャラと、大野さんの描いた漫画のキャラが似ていたとする。でも、著作権法では両方が認められるんだ」

 

「そうなんスか?」「へー知らなかった」「た、たぶんだケドな」

自信の無いボクに、恐らく解かってない二人。

 

そこに見覚えのある顔がやって来た。

「久しぶりね、でもそれじゃ説明にはなってないわよ?」

「あ、乃梨ちゃんっス」ファミレスに現れたのは、末依先生だった。

 

著作権ってのはね。自分の作品の保護を目的としていて、他人の作品の権利を侵害するモノでは無いのよ」

末依先生は、芽美や大野さんの隣に座った。

 

「例えば、原田さんのキャラが、大野さんの描いたキャラと似ていた場合、原田さんが自分のキャラと似ているから描くなと主張する……でも、まず認められないわ」

 

「な、なんでっスか?」

「だって原田さんが、キャラの権利を独占するワケでしょ」

「そりゃ、自分のキャラっすから……」芽美も、なんだか自信が無さそうだ。

 

「でも、アニメや漫画のキャラなんて、みんな似てるよ? 誰かが独り占めしちゃっていいのかな?」

大野さんが言った。

 

「確かに、世の中の人すべてに、使うなっていう権利はないような?」

 

「そうなのよ。第三者に対して使うなと主張する場合、よほどデザイン性が高いとか、オリジナリティが高くないと、著作権では認められないのよ」

 

「それにホラ……ストーリーを見ても、誰かが学園モノの話を独占したり、スポーツモノを描くなっていう権利はないんだ」

ボクも、偉そうに補足する。

 

すると夜吸さんもやって来て、ボクの隣に座った。

「有名な怪獣ですら、著作権で認められてるのは、背びれの形と鳴き声くらいのモンだ。著作権で他人の作品を縛るのは、かなり厳しいと思ったほうがいいぜ」

 

「でも世の中、著作権だけじゃないから気を付けてね。商標登録とかされちゃってると、同じ名前の商品は出せないから」

末依先生が、付け加える。

 

「と、ところでお二人は、どうしてここに?」

ボクは、夜吸さんと末依先生に問いかける。

 

「たまたま通りかかったんだが……まあいいか?」「そ、そうね」

二人は、視線を合わせた。

 

「オレらさ……結婚することになったんだ」