企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)103話

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青春の思い出

夜吸さんのいきなりの一言に、ボクも芽美も大野さんも仰天する。

 

「まあ、これから乃梨の両親に会うワケだ。そこが難問なんだが……」

「こんなチャランポランな男に、大事な娘を渡せないったヤツっすか?」

 

「うるせえよ、ちびっ子!!」「やっぱ、図星っすね!?」

「芽美も、その辺にしとけ」「は~いっス」

夜吸さんは、機嫌を悪くしたまま、チャイムで店員を呼びつけた。

 

ナポリ風リゾットを一つ、あとドリンクバー」

「わたしは、ハンバーグランチで……あと、ドリンクバー」

ボクらがいたのがファミレスだったので、二人はファミレスらしい注文をした。

 

「あれ、肉食系の夜吸さんが、今日はリゾットなんですね」

「うっせえ、これから親に会いに行くってのに、肉なんか胃に入るかよ!」

 

「乃梨ちゃんは入ってるっスよ?」「先生の場合、自分の両親だろ?」

「なるほどっス」芽美は納得した。

 

「でも、驚きましたよ。いきなり結婚だなんて」

「お前が知らないだけで、こっちはこっちで色々あったんだよ」

それも、その通りだった。

 

「だけど、とうぶんは乃梨ちゃん先生の収入で、食べてくんだよね?」

あからさまに失礼なコトを言う、大野さん。

 

「おい、お前。漫画家のしつけがなっとらんぞ!?」

「オ、オレのせいですか!?」

運ばれてきたリゾットすら、中々減らない夜吸さん。

 

「その頃、乃梨は生徒会の委員長で、オレは……札付きの不良ってほどじゃねェケドな。真面目では無かったワケだ」

「それで、よく付き合ってましたね?」

 

「オレが授業をさぼって、渡り廊下で漫画を読んでたら、コイツがいきなり取り上げやがってよ……」

 

「ひょっとして、『この漫画、わたしも読んでるわ。……けっこう面白いわよね?』ってヤツっすか?」

 

「オイ、芽美。勝手に……決め……!?」

ボクが結婚予定の二人を見ると、二人とも顔を真っ赤にしていた。

 

「うわあ、ベタ……ベタベタっすねえ~!?」

「オイ、ちびっ子!! コイツ、マジでなんとかしろ!!?」

 

ボクは末依先生と席を変わって、ロクなセリフを吐かない口を押さえつけた。

「でも、末依先生も、漫画に興味があったんですね」

 

「実を言うと、漫画雑誌に何度か投稿もしてるのよ。けっきょく、日の目を見ることは無かったから、あなたや原田さんたちのネット漫画雑誌は、応援したかったのよ」

 

「そうでしたか……」

先生は、ボクのアパートで、芽美たちが作業するのを止めた張本人だが、それはボクたちのネット漫画雑誌を潰したくなかったからだった。

 

「それでよ……お前に実は、頼みがあるんだ」

夜吸さんが言った。

 

「オレの知り合いの漫画家の面倒を、みてやってくれないか?」