企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)085話

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いつものコンビニの、いつもの入店音が鳴り、自動ドアが開く。

芽美の行方

「芽美……こんなところには、居ないか?」

いつも偶然か必然か、誰かと出会うフードコートに向かう。

 

「おう、どうした? 写真の使用はOK貰えたか?」

居たのは、夜吸さんだった。

 

「あの、芽美……原田って漫画家のコ、見ませんでした?」

「お前んトコの、女子高校生マンガ家群の一人だろ。どんなヤツだっけ?」

 

この時点で、夜吸さんと関わりのあるのは、企業漫画を描いた萩原さんと、スノボ漫画を描いている市川さんだけだった。

 

「えっと、このコなんですが?」

ボクはスマホの画面を見せる。

 

「あー、なんか居たか、小さいのが。で、そいつがどうしたって?」

「そ、それが……」ボクは、夜吸さんにワケを話した。

 

「まあ商業誌でも、二人の漫画家が同じジャンル……増してや同じスポーツを題材にしてると、神経質になったりするからな」

「はい……ウカツでした。オレがもっと、芽美のコトを気にかけてれば……」

 

「そうは言っても、お前もここんトコ、企業との打ち合わせうやらで手一杯だったろ? 神様じゃねえんだ。上手く行かない場合もあるさ」

 

「でも、オレのミスです」「お前、スマホにはかけたの?」

「はい……不通でした」「電源切ってるのか、圏外か……」

 

「オレ、心当たりを探してきます」「心当たりなんて、あんのかよ?」

「そ、それは……でも、闇雲にでも、探さないと……」

ボクはそのまま、コンビニを出た。

 

「ヤレヤレ、次から次へと問題を背負いこむヤツだな」

夜吸さんが、何か呟いているようだったが、気にする余裕はない。

 

「ど、どこに居る、芽美……そうだ、学校か!?」

まずは、芽美たちの高校を訪ねる。

 

「原田さんが、来てないかですって? 今は夏休みよ。登校日でもない限り、来るワケが無いでしょう」

芽美や萩原さんの担任の、末依 乃梨が言った。

 

「わたしは、たまたま部活の顧問だったから居るケド、原田さんになにかあったの?」

「そ、それが、家にも帰ってなくて……」

事情を話すと、美人教師の表情が曇った。

 

「高校生って年代は、大人と子供の間の不安定な時期なのよ。大人だったら些細なコトに思えても、彼女たちにとっては大事なコトかも知れない。こっちでも、家や友人関係に連絡を取ってみるわ」

 

「す、すみません。お願いします!」

ボクは頭を下げた後、学校を出る。

 

それからは、闇雲に探すしかなかった。