企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)088話

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入院

次の日、ボクは熱を出して倒れ、病院に担ぎ込まれる。

 

救急車は、芽美が呼んでくれた。

 

「まったく、ただの風邪と過労なのに、倒れ方が大袈裟なんスよ!」

「面目ない……」

 

芽美が不器用に剥いてくれたリンゴをかじっていると、夏休み中の女子高生たちが大勢押し掛けて来た。

 

「お兄さん、大丈夫だった?」「心配しましたよ!」

萩原さんと、市川さんが心配してくれる。

 

「ま、いい休息だと思って、しっかり休むコトね」

「でも原田、みつかってよかったね」

山口さんと大野さんが言った。

 

「そうだな、心配かけてゴメン。芽美、お前もみんなに謝らないとな」

「ゴ、ゴメンっす」芽美は、顔を赤らめながら謝罪する。

 

「なんか原田先パイ、社長と付き合ってるみたい」

「それ、自分も思ってました」「ひょ、ひょっとして……!?」

田中さん、今井さん、池田さんの三人の後輩たちが、好奇心に満ちた瞳を向ける。

 

「ああ……オレたち、付き合うコトにしたんだ」

「じ……じじ、実はそうなんス……」

それは、雨の夜に決めたコトだった。

 

「ええええッ!?」「そ、そっかあ……」

「まあ……自然な流れな気もするわ」

市川さんも、萩原さんも、山口さんも、わずかに表情を曇らせる。

 

「それと、芽美の描いていたサッカー漫画は、来月で終わらせるコトに決めた」

「え、いいの……原田?」市川さんが、心配そうな顔で原田を見た。

 

「良くはないっスけどね。このまま続けても、かえってあのコたちが不幸になる気がするんスよ。また、描きたくなったら描くっス」

芽美は、自らの生み出した登場人物との、決別をする。

 

「そっか……でも、また次の漫画を描くんでしょ?」

「そりゃ決まってるっスよ。次は、市川にも、萩原にも、佐藤先生にも、負けない漫画を描くっスよ!」

 

「芽美……次の漫画は、オレにも手伝わせてくれ」

「よろしく頼むっスよ、鷹詞」

芽美は、ボクの名前を始めて読んだ。

 

「でも、もう退院なんでしょ、お兄さん」

「風邪は治ったし、疲れも取れたから、居させてはもらえないだろうね」

 

「じゃあ、海。明日、みんなで海行こうよ!」

「もう、いきなり何言ってるのよ、このコは……」

山口さんにたしなめられる、大野さん。

 

「アタシは、いい考えだと思うっスよ?」

「散々心配させといて、上から目線なんだよ。この彼氏持ちがぁ!」

芽美は、萩原さんに羽交い絞めにされている。

 

「海か……それ、いいかもな」

 

翌日、大勢の女子高生たちを引き連れて、ボクは近郊の海の浜辺にいた。