企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)052話

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ニートの決意

「こいつは、オレのFラン大学時代の友人で、今はニートの佐藤って言うんだ」

「前に、ニート舐めるなって、叫んでた人っスね?」

 

「え、Fランは要らんだろ? ニ、ニートってバラすな! 普通に大学の同級生だったって紹介しろ!」「わ、悪い悪い」

ボクは何気に、佐藤に対する女子高生たちのハードルを、下げようとしていた。

 

「あッ……えっと、オレ……ママ、ママ」「ママがどうしたっスか?」

「佐藤は、漫画家になりたいって言いたいんだよ、ホラ」

ボクは、佐藤のネームのコピーを、芽美に渡した。

 

「フムフム、サッカー漫画っスか? どれどれ?」

芽美はパラパラと、ネームを読み進めた。

 

「どうかな?」「ど、どうっスかねえ?」

「オレは意外と、面白いと思うんだが……」「そ、そうっスね」

芽美にしては、歯切れが悪いとボクは感じた。

 

「ちなみに、絵はどうなんスかねえ?」

「そうだな、とりあえずこの、主人公の少年とか描いてくれよ」

「わ、わわ……わかった」佐藤は、震える手でキャラを描く。

 

「オイオイ、シャーペンの線が、グニャグニャじゃないか?」

「深呼吸でも、してみたら?」「はいいいッ!!」

萩原さんに言われ、真っ赤になりながら深呼吸をするメガネ。

 

ボクだけの前では、凄まじく雄弁な佐藤も、四人もの女子高生の前では、凄まじく情けなかった。  

「昔描いたのが、スマホに入ってなかったか?」「あ……ああ」

 

「たぶんっスけどね。シャーペンの絵は、まあまあ描けると思うっスけど、Gペン丸ペンで描くのは、修行が必要っすね」

それを見た芽美が指摘する。ボクも、芽美と同じ感想だった。

 

「オレも全然描けないから、人のコト言えんが、本気で漫画家を目指すんなら、ペンに慣れておく必要はあるよな」

「ああ……そのつもりだよ」佐藤はめずらしく、折れなかった。

 

「少なくとも、お前はアパートに呼んでも、構わんだろ。今から来るか?」

「ああ……家だと怠けそうだからな。頼むわ」

 

「じゃあ、あたしたちは、萩原のマンションで描くっス。お兄さんのアパートの次に、環境が整ってるっスからね」

萩原さんには、中古のノートパソコンが渡してあった。

 

「一度、ウチに寄っていかないか? こないだパソコンをパワーアップしたときに、もう一台分くらい組めそうだったから、組んでおいたんだ」

「だからパソコンが一台、増えてたっスね?」「中身は前のだケドね」

 

ボクは佐藤と共に、サブのパソコンを萩原さんのマンションの前まで運んだ。

その後、アパートに戻ると、佐藤の漫画のペン入れに入った。

 

「これでも漫画のノウハウを、芽美から色々教わってるんだ。ビシバシ行くぞ」

 

「オ、オウ!」今回の佐藤は、少しはやる気がありそうだった。