企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)108話

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絵の説得力

「大野さんの漫画、メチャクチャ好調だな。これなら、山口さんの抜けた穴を埋められえる」

 

山口さんの、異世界ファンタジーと株や不動産投資を織り交ぜた漫画は、一定の読者層から評価を得ていた。

 

けれども大野さんの、猫カフェの看板娘姉妹の漫画は、幅広い層から反響があった。

 

「大野の漫画は、山口の漫画みたくコア層向けじゃないっすからね。今は日常系も、女子も見る時代ッスから、幅広く人気を得てるんスよ」

ボクのアパートに久しぶりに来た、芽美が解説する。

 

「お前、先生に怒られないか? またアパートに入り浸ってるって?」

「向こうは結婚しちゃってるんすから、人のこと言えないっス!!」

 

芽美はそう言いながらも、ボクとイチャつくこと無く、アパートをデジタルカメラでパシャパシャと撮っている。

 

「なんでボロアパートなんか、写真に収めてるんだ?」

「取材っスよ。あたしも、ネット漫画雑誌を立ち上げる、主人公の話を描くんスからね。リアリティは大切っス」

 

どうやら芽美もカネちーに感化され、やる気になっているようだ。

 

「実は……お前に見せようか悩んだんだが、カネちーからさっそく、表紙絵が送られて来たんだ」

「ど、どれどれっス?」

 

そこには精密に描写された背景と、バスケットボールを題材とした少年の姿が描かれていた。

 

「こ……これはまた、凄まじい背景っすね。一体どんだけかけて描いてるっスか?」

「さあな。さすがに企業漫画なんか描きたくないって、豪語するだけはあるよな」

 

「クハッ!!? こ……これは、負けてらんないっス!?」

芽美は、アパートを飛び出していった。

 

「しかし……改めて見ても、凄いモンだ。一枚絵の迫力がハンパ無い。さっそく、感想を送っておくか」

(ボクは感想を送信したものの、返事が返って来るのは三日後のコトだった。)

 

「漫画の場合、やっぱ絵で説得できるのは大きいよな。そこは他の媒体には無い、漫画の強みだろう」

カネちーの漫画は、ボクが理想とする少年誌の方向性とマッチしていた。

 

「芽美のサッカー漫画は連載が終了したものの、佐藤のサッカー漫画も相変わらず好調をキープしてるし、市川さんのスノボサムライ漫画もライバルの登場で盛り上がっている……」

 

彼女に去られたボクは、冷蔵庫の冷凍パスタをレンジで温める。

「萩原さんとオレのヴァンパイア探偵も、それなりに人気があるし、大野さんの漫画も出だし好調だ。山口さんの漫画は、あと二ヵ月のストックだケド……」

 

ボクのネット漫画雑誌に載っている漫画たちも、それぞれに人気が出たり、連載が始まったり、終了したりと、リアルな漫画週刊誌みたいな変遷を辿っていた。