企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)109話

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女子高生の理想

レンジで暖めていたパスタが六分半が経過し、でき上がりのベルが鳴った。

……と同時に、玄関のチャイムも鳴る。

 

「なんだ? 芽美のヤツ、またスマホでも忘れていったか?」

アパートの古びた扉を開けると、そこには真面目そうなメガネが立っていた。

 

「ん……どうした佐藤? これから成人式か、企業面接にでも行くのか?」

佐藤は、髪型から服装から、そのような格好をしていた。

 

「ち、ちがうんだ。き……聞いてくれよォ!!」

佐藤は、ボクの部屋へとなだれ込んでくる。

 

「実は最近、池田さんっているだろ? あのコがオレのアシやってくれてるんだケド、ファミレスで会う度に服装や髪型のダメ出しされて……」

「それで、こうなったのか?」ボクは、パスタを喰いながら言った。

 

「実際、オレが描いてるサッカー漫画なんて、アシってそこまでは必要ないんだが、あればあったで有難い! だが、女性のアシというのはどうも……」

 

確かに既に社会人の佐藤の場合、全ての時間を漫画制作に使える。

また、月刊体制というコトもあって、アシがいなくても落とすコトは無かった。

 

「別に池田さんとは、描いてるときに会うワケじゃないだろ?」

「だがファミレスで、二人きりで会うんだぞ?」

「それがどうした? オレなんて、昔は毎日女子高生に囲まれていたぞ?」

 

「お前……スゲエな。改めて、思ったわ」

「まあ、お前が情けないだけの気もするが……お前、まさか池田さんに気があるのか?」

 

「グフッ!!? ……な、なな、なにを言っているのかね?」

「お前、解りやすいな。たしかに大人しい感じのコだとは思うが」

 

「そ、それがだな。何やら彼女の中では、オレはイケメンで、かなりできる漫画家の先生らしいんだ!」

 

「良かったじゃないか?」「良くない!!?」

佐藤は、ボクの冗談に本気で喰いついた。

 

「お前、本気でオレが、できるイケメン先生だと思っているのか?」

「そんなハズはないだろう?」

「うるさい、テメエ。だがその通りだ!!」

 

「つまりお前は、池田さんの頭の中のスーパーイケメン漫画家と、自分とのギャップにプレッシャーを感じていると」

 

「だ、だってそうだろ? つい最近まで、ただのニートだったオレだぞ!」

佐藤は勝手に人の家の冷蔵庫から、冷凍パスタを取り出して、レンジに放り込んだ。

 

「いずれ、オレの本性に気付いた彼女が、幻滅してオレを軽蔑の目で見降す日がやって来るんだぁ!!」

レンジの前で、頭を抱えて喚く佐藤。

 

「……うむ。確かにありそうではあるな?」

「そこ、否定しろよォ!!?」

 

面倒な友人は、どうやら池田さんのコトが、好きになってしまったようだ。