企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)110話

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池田さん

「とりあえず今度の打ち合わせは、オレも行こうか?」

 

「あ、ああ。だが池田さんに、ヘンな視線は向けるなよ?」

「いやー、別に無理にとは……」「スマン、来てくれ!」

「わかった、行くよ行くよ」

 

打ち合わせは、三日後の土曜日だった。

待ち合わせ場所の、大きな道路に面するファミレスの前に、パリッとしたスーツを着た佐藤が立っている。

 

「池田さんの趣味は、かなりフォーマルなんだな?」 

Fラン大時代から最近までの佐藤が着ていた悪目立ちする服から、センスの良いスーツへと変わっていた。

 

「そうなんだ」「でも、そのスーツ、高そうだけど、自分で買ったのか?」

「最近はオレのブログやSNSも盛り上がって来てるからな。アフィリエイトで多少は金も入ってくるんだ。少なくとも、バイトよりは割がいい」

 

「人気サッカー漫画の先生がやってる、サッカー関連のブログだからな。そりゃあ人気も出るか?」

 

「でも、コアやサッカーファンも多くてさ。そこが厄介といえば厄介かな。フォーメーションとか、戦術とか妙にシビアでさ」

「それくらいは仕方ないだろ?」

 

「まあな。最近は、代表の試合のある日とか、SNSで生中継とかやってるんだケド、盛り上がってくれて有難い限りだよ」

 

「オイオイ、本業のほうは大丈夫なのか?」

「それが、そろそろヤバいんだ。お前と描いたネームが底をついて、新規で描かなくちゃいけないから、忙しくなってきてるのは事実だな」

 

佐藤とあれこれ話していると、傍らに池田さんが立っていた。

「おわ、ス、スマン!」ビクっとした佐藤が、謝る。

 

「いえいえ、社長さんと親友とは聞いていましたから」

池田さんは、少なくとも表面上は涼しい顔をしていた。

 

「立ち話もなんだし、ファミレスに入ろうか? それに、新規のネームも見てみたい」

「おう、わかった」

佐藤が扉を開けると、カランコロンと音が鳴った。

 

六人掛けの席につき、メニューを眺めながら注文する。

「目玉焼きハンバーグとドリンクバー。ライス大盛りで」「あ、オレも同じやつ」

 

「ペペロンチーノとドリンクバーをお願いします」

ボクと佐藤の前に座った池田さんは、かなり可愛らしい感じの服を着ていた。

 

「ところで、さっそくなんだが、ネームを見せてくれないか?」

「お、そうだった」佐藤はカバンから、コピー用紙を十枚ほど取り出す。

 

「う~ん、なんかこう、突き抜けない感じだなあ?」

それを見たボクは、率直な意見を言った。

「そ、そうか? 実はオレも、気にはなっていたんだ」

 

「例えば、新規のドリブラーのキャラ、もっと上手く使えないかなあ?」

「そいつかあ。ロン毛の茶髪キャラで、我がままというか、セルフィッシュなヤツだが?」

 

「あの……そのキャラなんですが、カリスマ美容師を目指してるって設定はどうでしょうか?」

池田さんが、ポツリと言った。