企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)053話

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共同作業

久しぶりに、ボクのアパートにムサい面子が揃った。

 

「じゃあさ、佐藤。受け売りだケド、ネームをブラッシュアップしていくぞ」

「えええ!? これじゃ、ダメなのか?」

 

「う~ん。ダメでは無いが、もっと良く出来ると思うぞ?」

「マジ?」「意外とマジ……たぶん、行ける」

 

ボクは、芽美に言われたコトを思い出しながら、改めてネームを見る。

「まず、主人公の登場シーンだケドさ。やっぱ、コマ抜きでドーンと登場させた方がいいとおもうぞ?」

「そうだな……言われてみれば、そっちのがいい気がする」

 

「それに、主人公の目的ってなんだ?」「な、なんだって、言われても?」

「まあ、そうだよな。でも、芽美が言うには、読者に語る語らないは別にして、決めておいた方がいいみたいだぞ?」

「フ~ム、確かに人生の目標があった方が、いい気はするな?」

 

「オレが思うに、登場人物や組織ごとに、目的があった方がいいと思う。敵が戦争をする目的すら解らない、ダメなアニメとかあるからな」

「ウム。確かにその方が、リアリティが出るのかもな?」

 

「他には、何かあるか?」「そうだなあ……」

佐藤は意外にも、従順と言える程ボクの意見を聞いた。

 

「とりあえず主人公の目的は、『仲間集め』だ。プロのサッカー選手が経営するとは言え、財政的に不安定なチームに、人材を集めるのが仕事だろう」

佐藤は、サッカーの知識については良く知っていた。

 

「お前がサッカー好きなせいか、芽美のサッカー漫画と比べても、リアリティについては上くらいに思えるな」

ボクは、率直にそう感じた。

 

「だが、キャラがまだ弱い気がするな?」佐藤は、自ら弱点を指摘する。

「ああ。流石にそこは、芽美の漫画に比べ、劣っている部分だな」

「どうする……いい方法は無いのか?」「あるぞ」ボクは、即答した。

 

「実在のサッカー選手をモデルに、アレンジするんだ。もちろん、モロパクはマズい時代だが、性格やプレイスタイルを参考にするくらいは許されるだろう?」

「なる程な。お前、かなりの漫画知識を、身につけていたんだな」

 

「佐藤こそ、けっこう本気なのが伝わって来たよ。オレはこの漫画、行けると思ってる」

「まるで優秀な編集者だな。だが、信じてみるのも、悪く無いか。どんどんアドバイスくれ」

 

「じゃあ、遠慮なく行くぞ。ウチの雑誌の場合、描いているのが女子高生しか居ないのもあって、若い女性の読者層が圧倒的に多い。偏っていると言っていいくらいだ」

「そ、そうなのか? じょ、女子に見られるのかあ?」

 

「そこを、意識する必要があるな。まず、来てる服も、髪型もダサい。ファッション誌を参考にして、ガンガンカッコよくして行こう」

「そ、そうか。こう見えて、ファッションにも、ヘアスタイルにも興味あって、雑誌とか買ってるからな」

 

「お前の絵柄は、芽美のサッカー漫画よりリアル寄りだ。相性は良いハズだ」

 

ボクは佐藤の漫画に、明らかな手ごたえを感じていた。