企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)131話

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決心

「まったく、鷹詞はお人好しっスねえ」

 

「別に、そうでも無いと思うが……漫画家が活躍する場所を広げるのは、ボクの目標でもあったんだ」

 

「そうだったんスか?」

「まあな。最低限、儲からなくても、そこくらいはクリアしたいと思ってた。それが、それなりに儲かっているだけなんだよ」

 

「事業として成功してると思ってましたが、意外に目標は低かったんですね?」

晃さんが言った。

 

「ボクの場合、漫画家に恵まれたってだけだよ。都合よく、芽美や佐藤、市川さんら優秀な漫画家が集まった結果さ」

 

「まあ漫画の場合でも、意気込んで描いた漫画がコケて、次の連載までの繋ぎくらいのつもりで描いた漫画が受ける場合もあるっスからね」

 

「そう……まさにそんな感じでさ。元々ニートだったボクが、アルバイトもきついからって始めたのが、今のネット漫画雑誌の最初だったんだ」

 

「それからウチの兄貴から、あたしが紹介されたってワケっスね?」

「実は自分で漫画を描こうと、Gペンを握ったり、タブレットをいじったりしてたんだケド、ボクには向いて無かったみたいだ」

 

「それで、雑誌を作る編集側に回ったんですね?」

「ああ。ボクにはバックアップが、向いてるみたいだからね」

 

「わたし、決心しました!」

晃さんが言った。

 

「決心って……何をっスか!?」

芽美が、ボクも抱いた疑問を聞いてくれた。

 

「今、ウチのデザイン事務所って、漫画家と仕事をする感じじゃないですか?」

「でも、本当にそうしたいと思ってるのは、サッカークラブのオーナーである大倉野さんであって、成瀬さんは仕事上……」

 

「いえ、むしろ本気で思っていたとしても、実現できるかは別問題です。実際、ウチのデザイン事務所の方がまだ、漫画家と仕事をした経験もあって、ノウハウもあると思うんです」

 

「た、確かにそうだケド……大倉野さん的には、サッカークラブのファンやサポーターの中から、漫画家を発掘したいと思ってる」

すると、佐藤が口をはさんできた。

 

「大倉野さんのサッカークラブは、日本のトップリーグに所属し、歴史もあってサポーターもかなりいます。クラブを愛するサポーターの中には、漫画を描ける人材もいるんじゃないかと?」

 

「でしょうね」

晃さんは、あっさりと認める。

 

「ですが、サッカークラブが漫画家の管理までは、しないと思うんです。ですからオーナーは、ウチのデザイン事務所を紹介されたと思ってるんですよ」

 

「それじゃあ、晃さんが決心したってのは!?」

 

「漫画の編集……つまり、あなたと同じコトがやりたくなりました」

晃さんは、平然とした顔で答えた。