企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)054話

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女子高生と漫画

「ねえ。振り込まれるお金って、どう分配されるのかな?」

萩原さんが、マンションの萩原さん自身の部屋で言った。

 

「そんなコト、知らないっスよ。決めるのは、お兄さんっス。もしかして萩原、自分が総取りできるとでも思ってたっスか?」

「お、思ってないわよ。嫌な言い方するなあ、原田」

 

「でも、考えてみたら、お金の分配の仕方とか、全然決めてないのも問題だわ。それに、お金を貰ってるんだから、領収書とか納品書とか、所得税の申告とか、色々と会計に関する手続きが必要になって来ると思う」

 

「山口の言う通りかもッス。アタシも人のコト言えないっスケド、お兄さんもそーゆー方面、疎そうっスからねえ」

「原田も漫画家を目指すなら、しっかりして置いた方がいいわよ」

 

「そ、そうは言ってもっス。今描いてるサッカー漫画だけでも、大変なんすよォ。人気じゃ最近、市川のスノボサムライに負けてる感じっスからね」

「そ……そうかな?」市川さんは、何故か照れていた。

 

「でも、漫画家って結局のところ、個人事業主なワケでしょ。例え二十万全額入ったとしても、そっからアシスタント料や仕事場の家賃なんかを引かれるのよ」

 

「ぐああ、山口。おかんよりうるさい。今は、お金が入っていい気になりたいだけなの。現実を持ち出したら、せっかくの気分が台無しだよ」

萩原さんは、自分のベットに寝転がる。

 

「パンツ見えてるっスよ」「別に女同士なんだから、問題ない」

「萩原も原田も、なんかやる気無くない? やっぱ、お兄さんに構ってもらわないと、やる気出ないんだ?」大野さんが、グサリと核心をえぐった。

 

「そ、そんなコト、無いっス!!」「そんなの、あるワケ無いじゃん!!」

二人が同時に、叫んだ。

「やっぱねえ。こりゃ、乃梨ちゃんが心配するワケだ」

 

「な、なに勝手に決めつけてるっスか、山口!!!」

「そ、そうだよ。大野も、構ってもらうとか、アタシらペットじゃないし!!」

芽美と萩原さんは、顔を真っ赤にしながら反論していた。

 

「い、今は真面目に、漫画描くっスよ!」

「……つか……さ。次、あたし、何描くワケ?」

萩原さんは、IT企業漫画を描き終えた後のプランは無かった。

 

「企業漫画のネーム、ほぼアタシが描いてるっスからね。今度は自分で全部、描いてみたらどうっスか?」

「そ、そうだね。流石にあんな大金貰っちゃうと、プロとして漫画の質を上げないと、ダメだと思った。ネームから、自分で描いてみる!」

 

そう決意した萩原さんだったが、十分後には鉛筆を転がし始めた。

 

「実はさ、原田、萩原。わたしも、漫画を描いてみようかと思ってる」

「や、山口がっスか?」「ど、どんなのか、決まってんの?」

 

「株とか、投資に関する漫画だよ。ネーム、描いて来た」

山口さんは、ネームのコピー用紙を机に広げる。

 

「こ、これ、ネームっスか? このまま正書できるレベルっスよ?」

山口さんは、優等生で几帳面だった。

 

そんな女子高生たちのやり取りを、ボクは知る由もなかった。