企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)046話

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乃梨ちゃん


IT企業の漫画は、少しだけ手直しはあったものの、OKを貰えた。

 

「やったあ、これでわたしも、漫画家デビューかな?」

手放しに喜ぶ、萩原さん。

 

「今度はネームも、ちゃんと自分で描くっスよ?」

「わ、わかってるって、原田。うっさいなあ」

ボロアパートのボクの部屋では、相変わらずかしましい声が響いていた。

 

「そういえば、お兄さんを、ウチの担任が呼んでたっスよ?」

「へ? 芽美の担任?」

「ああ、そういえばいってたね、乃梨ちゃん」

 

芽美と萩原さんは、同じクラスだった。

「オ、オレに、何の用なのかな?」

 

「実はウチのクラスでも、お兄さんのネット漫画雑誌が、ケッコー話題に上ってるんっスよ。それで、担任の末依 乃梨ちゃんの耳にも入ったっスね」

「そ、そっか。で、どんな用件なんだろ?」

 

「さあ? とりあえず、本人に聞いてみるっスか?」

芽美は、スマホで連絡を取る。しばらく話した後、スマホを切った。

「で、どうだった?」「明日、学校に来て欲しいそうっス」「ええ!?」

 

女子高生たちが帰った後、ボクは随分と憂鬱な気分になった。

「な、なんだろ? やっぱ、ネット漫画雑誌が問題なのだろうか?」

 

 翌日、ボクは着なれないスーツを着込んで、芽美たちの学校へと向かった。

 

校門で、四人の女子高生が出迎える。

「うわあ。お兄さんのスーツ姿って、なんか新鮮っスねえ?」

「確かに、普段もわりかしフォーマルだケド、やっぱ違うね」

 

「オレの格好なんていいから。それより、職員室に案内してくれよ」

「それでは、案内します。来客用のリボンをつけてください」

山口さんが、テキパキと来客に対する手続きをこなす。

 

「キャー、見て見て」

「あの人が、芽美たちが描いてる、ネット漫画雑誌の編集長だって」

「わ、若い。それに、まあまあ可愛いんじゃない?」

 

教室の窓から、ボクに対するおかしな評価が、聞こえる。

「お兄さん、凄い人気だね。馬子にも衣装ってヤツだよ?」

「大野……アンタ、意味わかって使ってんの?」

山口さんに、たしなめられる大野さん。

 

ボクたちは、既に職員室の前に立っていた。

「……し、失礼します」緊張しながら、中へと入る。

さっそく先生たちの目が、ボクを取り囲んだ。

 

「お兄さん、こっちこっち」

萩原さんが、ボクを担任の前に連れ出した。

 

「お待ちしておりました。この度は、お呼びたてに応じていただき、有難うございます」

雑多な書類の並んだ机の前に座った女性が、クルリと方向を変える。

 

「原田さんや、萩原さんの担任をしております。末依と申します」

長く整った脚を組み、グラマラスな胸を揺らしながら、彼女は言った。

 

「あなた……彼女たちを、ご自分のアパートに連れ込んでいるようですが、不適切だとは思いませんか?」

 

ごもっともな意見だった。