企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)045話

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納品

一週間後、萩原さんが描いた10ページにも及ぶ企業漫画が、完成した。

 

「ま、まさか、余裕で間に合うとはな?」

ボクも含め、全員が予想外だった。

 

「イリア氏がフランスで、仲間を募って分業してくれたおかげっスね」

「で、どうかな? これで出して大丈夫そう?」

萩原さんは、自分の漫画の出来栄えが心配の様だった。

 

「たぶん、大丈夫じゃないかな?」「きっとだいじょうぶっスよ」

「だからとか、きっととか、付けないでよね」

 

萩原さんは不満そうだったが、実際に企業から漫画を依頼され、仕上げたのは初めてだったので、ボクにも芽美にも、解らなかった。

 

「それじゃ、夜吸さんに連絡を取ってみるよ」

ボクは夜吸氏に連絡を取り、もう一度納品方法を聞いた。

「まあ納品は、デジタルデータをネットで送るだけだからね」

 

結局、その日はそれだけだった。

夜吸さんにしても、企業からの連絡待ち状態であり、企業側も判断は複数の人間によって行われるため、時間がかかりそうだった。

 

「なんか、デジタルの納品って、あっけないね?」

萩原さんは、自分が経験した苦労の大きさから、そう思うのだろう。

 

「でも、これでやっと、自分の漫画に集中できるっス」

「あ、わたしも、サムライスノボ漫画、今月は10ページ行けそうです」

市川さんも、自分の漫画を進めてくれていた。

 

「なッ、こないだ来なかったのは、そのせいだったっスか?」

「アレは、塾とかだよ。またテストで、悪い点取れないでしょ」

「し、しかし、ほぼ一人で10ページっスか?」「少しは慣れたのかな?」

 

「そうだね。一ヵ月で10ページは凄いよ。漫画にかかりきりでもないのに」

「そういえば、イリヤも漫画を連載したいって、言ってましたよ」

「そっか。向こうでも描き続けてたんだ」

 

「確かに、キャラも背景も、かなり上手くなってたよ」

イリヤに手伝ってもらった、萩原さんも関心していた。

 

「そりゃ、ウチとしては大歓迎だケド、日本語になっちゃうよ?」

「それより、ストーリーはできてるんスか?」

「それなんだケド、わたしが『ハワイでスノボをサムライがやる漫画』ができた時のコトを伝えたら、さっそく真似し始めちゃって」

 

「ああ、鉛筆転がしっスね。それで運命は、どんな話を選んだっスか?」

「バニー星から来たバニー星人が、地球のアイスクリームに感銘を受けて、株式投資で得た資金でアイスクリーム店を買収するお話だって」

 

「また、なんともカオスなストーリーだなあ?」

「でも、企業漫画として見ても、アイスクリーム屋と、株式関連が行けそうですよ」

山口さんが、冷静に指摘する。

 

「た、確かにそうだケド……」

ボクは、大きなため息を吐いた。