企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)030話

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萩原さんの手によって、ボクのパソコンが新たなケースに詰め替えられた。

「これで、よし。あ、動きましたよ、お兄さん」

 

「あ、ありがとう。これもう、ゲーミングパソコンだよね」

「そうですね。でも、画像編集ソフトは軽くなりますよ。CPUも換えたから、基本動作も早くなってますし」「確かに」

 

萩原さんの見立てとチューンナップで、パソコンでの作画作業はかなり早まった。

 

「で、お相手さんの企業は、SNSのサービスを始めたいんスよねえ? どんな漫画にしたいか、聞いて置いたっスか?」原田妹が指摘した。

「ああ。何個か入れてほしいポイントが、あるみたいなんだ」

 

「サービスの、売りっていうか、セールスポイントってヤツっすね?」

ボクは原田妹に、企業案件のメールを見せた。

「フムフム。セールスポイントは、大体四つっすか?」

「行けそう?」「ムリっス」「ええ!?」

 

ボクは、原田妹の即答に驚いた。

「無理ってどこがだい? どこか解り辛いポイントでも?」

「そうじゃ無いんスよ」「じゃあ、なんで・・・」

 

原田妹が、自分の机の方で手招きしていた。

「説明漫画の場合、一つの漫画で一つの説明をするのが理想っス」

「な、なる程。でも先方さんは、2ページで全部のポイントを、押さえて欲しいって言って来てるぞ?」

 

「入れれなくは無いっス」「え、じゃあ?」

「でも、入れれなくは無いっスけど、単に入れただけになるっスよ」

「単に入れただけ?」「そうっス。解んないっスかねえ?」

 

原田妹は、仕方ないといった感じで、A4のコピー用紙にシャープを走らせる。

「こんな感じっス」10分ほどで仕上がった。

「そっか、どれどれ?」それに目を通したが、イマイチしっくり来ない。

 

「う~ん。確かにポイントは全部押さえてあるんだケド、これじゃあ単に描いてあるだけで、全然SNSのサービスと利用しようとは、思えないかもな」

 

「そりゃそうっスよ」シャーペンを回しながら、原田妹は言った。

「これじゃあ説明書と変わんないっス。漫画を使う意味なんて無いっス」

「確かにそうだな。詰め込み過ぎて、全然頭に入ってこないよ」

 

「漫画には間ってモノがあるし、色んな仕掛けで読者に読ませてるっス」

「なる程なあ。こりゃ、先方さんに納得してもらうのは、骨が折れそうだ」

「まあ、相手次第っスけど」

 

「漫画って、けっこう低く見てくる人がいるから、イヤなのよね」

萩原さんも、嫌悪感を示した。

「で、でも、まだ先方さんが、漫画に理解を示さない人とは限らないワケだし、ボクが連絡を取ってみるよ」

 

その日の夜、ボクは先方の会社にメールを送った。

一時間ほどすると、先方からスマホに電話がかかってきた。

 

結果は、予想以上に酷いものだった。