企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)018話

「お、フォントを入れると、なんだか漫画っぽくなったな」

「し、失礼っスね。元から漫画っスよ」

 

ボクは、フォントを吹き出しに合わせて、大きさの調整を行う。

「でも、本物の漫画って、漢字にルビが振ってあったりするよな?」

「ネット用の解像度だと、大きな文字ならルビも入れられるけど、小さな文字は無理ですね」萩原さんが指摘した。

 

「やっぱ、潰れちゃうとか?」

「はい。最近はスマホやパソコンの解像度も上がってきたけど、まだ印刷物の解像度には及ばないですね」

 

ボクの頭にふと、疑問が浮かんだ。

「萩原さんってさ。そんなにパソコンやソフトに詳しいんだから、オレなんかに頼らなくても同人誌作れるんじゃない?」

「パソコンの知識は、サークルの先パイが色々と教えてくれたんだケド、肝心のパソコンが無くてね」「先パイ、就職して地元にはいないんスよ」

彼女たちもまだ、女子高生だった。

 

パソコンともなると、金銭的にすんなりとは手に入らないのだろう。

「ちなみに・・・漫画の報酬、ノートパソコンでもいいっスよ?」

「ま、まあ中古のノートで良ければ?」「マ、マジっすか?」「ほんと?」

女子高生たちは、顔を見合わせた。

 

「こ、これは気合入れて描かないとっス」

「だね」「お兄さんの気が変わらないウチに」「仕上げちゃおう」

漫画原稿は一時間置きに完成し、そのたびにボクはコンビニを往復した。

 

「よし、最後のページも、文字入れ完了」

「これで後は、ホームページに組み込んで、ページにボタンつけてリンク貼って、ネットにアップだね」

萩原さんは親切に、まだやる事が山の様にあると教えてくれた。

 

「んじゃ、わたしたちは帰るっス。ネットにアップをヨロシクっす」

「任された。今日の十二時までには、何とかアップしておくよ」

原田妹や萩原さんたちは、帰っていった。

 

ボクが約束通り、11時59分に漫画をアップすると、四人の女子高生からウェブ通信アプリにお祝いのコメントが入った。

 

「さっそく、読んでくれたのか。まあ描いたのは、彼女たちだケドな」

ボクはスマホを片手に、近くのコンビニでコーヒーを買った。

「漫画が載ったと言っても、たったの5ページ・・・でも」

 

見上げると、都会の夜空もそれなりに綺麗だった。

「5人で作り上げた・・・確かな一歩だ」

 

始めてアップされた漫画をスマホで読みながら、ボクはコーヒーを飲み干した。