企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)029話

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ボクのボロアパートは、ボロではあるものの、大家さんがネットで動画を配信されているくらいITに詳しく、ネット環境は整っていた。

「じゃあ萩原さんは、ボクのデスクトップ使って」「了解です」

 

萩原さんは、素早い手つきでキーボードを叩き、パソコンの内部情報を確認する。

「このコ、お兄さんの自作ですよね。一応タブレットは刺さってるけど、CPU性能もビミョーだし、グラフィックもオンボードなんですね?」

タブレットは、ボクが一瞬で挫折した名残だった。

 

「グラボも増設しようかと思ったケド、ロープロファイルしか入らなくてさ」

「それでも、オンボードよりかはマシだと思いますケド?」

「た、確かに」「二人とも、日本語喋るっス」

話しに置いてけぼりにされた原田妹が、なぜか怒りだした。

 

「今回ちゃんと漫画が納品されれば、まとまった金額が手に入ると思うんだ」

「それじゃあ、買い出しにいきましょうか?」「そ、そうだね」

萩原さんは、ボクの意図を察していた。

 

「それじゃあ電機街まで、買い出しに行ってくるよ」

「あ、あたしも付き合うっス」「いいよ、自分の漫画を進めてくれれば」

「今ちょっとスランプっス」「ええ!?」

原田妹も、強引に付いてきてしまった。

 

「けっこう混んでるな」「タピオカに、唐揚げ、美味しそうっス」

「流石に今回は勘弁な。PCパーツはけっこう高いんだ」

「しゃーないっスね」強引に付いてきた娘は、渋々納得する。

 

「お兄さん、予算っていくらくらいですか?」萩原さんが言った。

「そうだな。できれば1万以内に抑えてほしいケド、頑張って2万」

「そうですか? なら、このケースを買いましょう。これなら、ロープロじゃなくても入るし、ある程度の拡張もできますよ」

 

「確かにロープロのグラボって、割高か性能がイマイチとかあるしな」

「お兄さん、CPUこれ行けますよ」「廉価版じゃないのが、この値段?」

萩原さんに言われた通り買っていたら、二万ギリギリになってしまった。

 

ボロアパートに帰ると、市川さんだけが漫画を描いていた。

「お兄さん、ずいぶんとたくさん買ってましたね?」

「ああ、ついね。自作マニアが二人も集まると、こんなモンさ」

 

すると、パーツの箱を開封しながら、萩原さんが言った。

「お兄さん、これわたしが組みます」「え? でも・・・」

「わ・た・し・が・組みます!」「うう・・・はい」

 

萩原さんは、さっそく前のパソコンの蓋を開け、マザーボードを取り出した。

慣れた手つきでCPUを外し、新たなCPUに交換する。

「は、萩原・・・お前パンツ見えてるっス」「うっさい、今忙しい」

原田妹の指摘を、萩原さんはガン無視した。

 

「うっさいじゃねえっス。ホラ、股閉じろや、股っス」

「あーもう、気が散る。お兄さん、原田押さえてて」

萩原さんは、パソコンの自作になると、周りが見えなくなる様だ。

 

ボクは言われた通りにした。

「アタシ押さえてどうするっス。堂々と見てんじゃねえっス」

「もう、お兄さん、ダメでしょ」

 

ボクの目は、市川さんの可愛らしい手で塞がれた。