企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)075話

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先パイと後輩

「宇津井さん、頑張ってくれるといいんですケド」

「ま、そう悲観的になるなって。ああ見えて、宇津井さんはできる人だぜ」

 

夜吸さんは、そう言うと街の人ごみの中へと消えて行った。

「今日は、他に案件でもあるんだろうか? 夜吸さん、ずいぶんと慌ててたな」

 

少し気になったが、ボクはいつものコンビニで、コーヒーを買うことにした。

「また、誰か居るんじゃないのか……ってアレ?」

 

コンビニは、芽美たちの女子高や、市川さんたちの学校の中間地点にあり、知り合いに会うのも偶然といえば偶然だが、必然といえば必然だった。

 

「今日は大野さんか? 一人じゃ無いみたいだケド、知らない娘たちがいる」

ボクは、気付かれないようにアイスコーヒーを買っていると、向こうから声がかかった。

 

「あ、お兄さんじゃないですか? 今日も、お仕事ですか?」

子供っぽい笑顔で、大野さんが話しかけて来る。

 

「ああ、企業との打ち合わせだよ。今日は、一人じゃ無いんだね?」

大野さんの周りには、三人の女子高生が座っていて、四つある椅子を占領していた。

 

「そうなんですよ。いい機会だから、紹介しますね」

ニコニコとご機嫌な、大野さん。

 

「こっちから、田中さん、今井さん、池田さんだよ。三人とも、新しく漫研に入った後輩なんだ」

大野さんには悪いが、四人の中で大野さんが一番後輩に見えた。

 

「わ、わたしは、田中って言います。ひょっとして大野先パイが言ってた、ネット漫画雑誌の社長さんですか!?」

「えっと……まあ、そうなるのかな?」

 

「ス、スゴイ、本物だ。じ、自分、今井です。萩原先パイのヴァンパイア探偵に憧れて、漫研入りました。原作は社長さんって、本当ですか?」

「え……まあ、ウソではないか」

 

「わたし、池田です。佐藤先生のサッカー漫画が大好きで、漫研入りました。佐藤先生とは、ご親友なんですよね?」

「ま、まあね」(正確には、悪友なのだろうが)

 

「みんな、しっかりしてて、良いコたちなんですよ」

確かに幼い感じの大野さんと比べると、後輩たちはしっかりして見えた。

 

「わたし先パイですからね。先パイらしいトコ、見せなきゃって思うんです」

「そうか、ほどほどにね」何やら、危なっかしい感じがした。

 

「で、ですね、お兄さん。わたしも、漫画描くって言ってましたよね?」

「うん。確か四コマ漫画を描くって……?」

「ネーム、出来ました。見てください!」

 

やる気に満ちた大野さんから手渡されたネームは、日常系の漫画だった。