企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)042話

f:id:eitihinomoto:20190630231117p:plain

それぞれの想い

「そんなアタシの漫画でもっスね。最近、面白いって言ってくれる読者さんが、出てきたんスよ」

 

「だ、だから、それはキミの漫画の力が……」

 

「アタシの、漫画の力だけじゃ、どうしようも無かったんスよ!」

芽美は、悔しそうに言った。

 

「原田には悪いケドさ。やっぱ、ネット漫画雑誌に連載した影響力が、大きいと思うよ」萩原さんが、冷静に指摘する。

 

「集中的に漫画を載せ、その雑誌をみんなでSNSを使って宣伝するってやり方は、理にかなってます。ほぼサポートのわたしたちだって、雑誌に人気が出るが楽しくて仕方ないんです」

山口さんが、いつになく熱く語った。

 

「そ、そうですよ。わたしも、最初はどうかなって思ったスノボ漫画ですが、今は主人公のサムライに愛着、沸きまくりなんですから」

市川さんも、作品に対する思いをぶつけて来た。

 

「それに、ネット漫画雑誌はもう、お兄さんだけのモノじゃないんですよ?」

大野さんは童顔だが、時折ものすごく的を射た発言をする。

 

「アタシもたぶん、自信なんて無かったんスよ。先パイに、漫画の描き方のコツとか教えてもらっても、誰も読んでくれない。賞にも何度も、落っこちたっス。頑張って描いてるのに、けっこう落ち込むんスよね……」

 

「芽美……」ボクは、初めて彼女の弱さを知った。

 

「お兄さんも、やっぱ大変だったっスか? 一人でネット漫画雑誌を組んで、一人で会社や仲介業者と付き合って……」

 

「そうだね……正直、大変だった」ボクは、本音を言った。

「始めた時は、軽い気持ちだったんだ。でも、色々と解らないコトだらけで、どれが正解なのかも解らない。雑誌の方向性とか、企業との付き合い方とかさ」

 

「それ、アタシも同じっスよ。漫画だって、正解なんて無いっス」

芽美は、ボクのおでこに自分のおでこを当てて来た。

「でも、アタシの描く漫画のキャラは、アタシの描いた漫画世界の中で、頑張って生きてるんスよ」

 

「そっか……。やっぱキミの描く漫画は、面白いよ……芽美」

「……アリガトっス」ボクはおでこに、軽くキスをされた。

 

「アタシ、思うんスケドね。確かにアタシたちは、ずっと女子高生じゃいられないっス。でも、ウチの部活にも後輩は入って来るんスよ」

 

「なる程ォ。入って来た後輩たちを、強制的に雑誌にブチ込めば……」

萩原さんは、とつぜん過激なコトを言い出した。

「いや、強制は良くないよ。でも、世代交代ができるくらい、ボクのネット漫画雑誌に魅力はあるのかな?」

 

「たぶん、大丈夫っスよ」芽美は、優しく微笑んだ。