企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)059話

f:id:eitihinomoto:20190717235250p:plain

漫画と金儲け

漫画:萩原さん、原案:ボクの『ヴァンパイア探偵』は、かなりのヒットとなった。

 

「やっぱ探偵ものって、ある程度の需要があるとは思ってたケド、予想以上の反響だね」

萩原さんが、機嫌良さそうに笑った。

 

「主人公が色白の優男で話にあんま関わらず、基本は姉の失踪の謎を追う双子姉妹の目線で、話しが進むんだが……」

「逆に、二人の女子高生目線が、共感呼んでんだと思うよ。それにこのメカ好きの妹の方、もしかしてアタシがモデル?」

 

「それ考えたの、高校から大学の間だぞ。まだ、知り合ってもいないわ」

「そんなんだから、Fラン大卒で、新卒棒に振ったりするんだよ」

 

「うっさい。しかし、良く喰うなあ」

「あたしには、これくらいのご褒美が、丁度いいのかなってね」

ボクはファミレスで、チーズハンバーグランチをおごらされていた。

 

「結局、漫画を十ページ描いて、二十万も貰えてもさ。それが継続されるワケでもないんだよね」

萩原さんがハンバーグを真っ二つに斬ると、中から肉汁とチーズがとろけ出る。

 

「そ、そうなんだ。だから、企業に連載を貰う必要がある。しかも、出来る限り大手じゃないと、継続してお金を支払うなんて、不可能なんだ」

 

今は自分たちで、勝手に描いているだけで、企業から受注して連載しているワケでは無かった。

 

「わたしも漫画家になれれば、自分が個人事業主になるんだよね? そうなるとアタシが、アシスタントにお金を払ったりするんだ?」

「そうだな。けっこう、持ってかれるぞ」

 

「正直、二十万ってさ。大金と思ってたけど、マジで経費払ったら、直ぐに無くなるよね」

「キミたちに、マジに経費を払えと言われたら、ボクは破産するな」

 

「今の、ウチの雑誌の収入って、どれくらいあるの?」

「比較的安定してる、アフィリエイト収入が、全員のを合わせて月に3万くらい。他は、企業案件の漫画を描いたときのみ、利益が出る感じかな」

 

「やっぱ、考えないとだよね?」「そうなるな」

すると、ファミレスのドアベルが『カランカラン』と鳴り、サングラスの男が入って来た。

 

「あ、夜吸さん。お久しぶりです」「おお、久しぶり」

夜吸さんは、ボクの隣の席に座った。

 

「実は、ここに居るって聞い……お、このコ、可愛いじゃん? お前の彼女?」

「ち、違いますよ。IT企業漫画を描いてくれた、萩原さんです」

そう言うと何故か、萩原さんの表情が曇った気がした。

 

「こんな可愛いコが描いてくれてたなんてな? もっと、ふっかけてやりゃあ良かったあ?」

夜吸さんは、ドリンクバーとステーキセットを頼んだ。

 

「で、ボクに用があったんですよね?」

「ああ……お前んとこのサッカー漫画、人気だよな? アレのユニホームの胸によ、企業ロゴ募集しない?」

 

それはボクも、考えていた案だった。