企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)051話

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漫画の報酬

次の日、ボクは佐藤を引き連れて、芽美たちと会った。

場所は、コンビニのフードコートだった。

 

「もう、店員さんとも、顔なじみだな」

「ところで、お兄さん。また、夜吸氏と会ったっすか?」

「ああ……どうして知ってるんだ?」

 

「それがさ。乃梨ちゃんに、注意されたんだよね。夜吸さんは、お兄さん以上に危険だから、絶対に気を許すなって」

萩原さんが言った。

 

「ボクも、ずいぶん危険な人物扱いなんだが?」「男は危険危険っス!」

「その夜吸さんからなんだが、萩原さんが描いたIT企業漫画の報酬が入ってた」

「ウソ! で、幾らになった?」「ご、五千円くらいっスか?」

 

「いや……二十万」「ふぇ?」「い、今、なんて言ったっスか?」

「だから二十万だよ。夜吸さんはページ数アップの段階で、三十万で受けたらしい」

 

「そ……それって、1ページ、に……二万?」「そうなるね」

「ア、アタシが描いた漫画が、1ページ、二万? だってそれ、グラボやCPUが買えちゃう値段よ?」

 

「は、萩原は、相変わらずパソヲタっスね。でも、アニメ見放題の契約、三年以上分っスよ!?」「安いスマホなら買えるわ」「ステーキにうな丼も、行ける?」

芽美も、山口さんも、大野さんも、興奮を隠せないでいる。

 

「そ、そんな価値が……あ、あると思う?」萩原さんが、ボクを見た。

「ボクは、あると思うよ」「ふぇ」萩原さんは、何故か急に赤くなる。

 

集まった四人の女子高生は、明らかに表情が違っていた。

「や、夜吸さんって、意外にやるじゃん」「そ、そおっすね?」

この間まで、散々罵倒していたのがウソのように、評価が反転する夜吸さん。

 

「こ、これからは、プ、プロっスよ? お金を貰ってる以上、ヘタな漫画は描けないっス!」

「そ、そうだね。わ、わたしももっと、頑張らなきゃ!」

 

「ところでお兄さん。その企業漫画なんですケド……」

山口さんが問いかけてきたが、なんとなく言いたいコトは解かった。

「先方の企業さんからOKが出てね。ウチの雑誌で載せてもいいってさ」

 

「ホ、ホント、お兄さん!?」「ああ……本当だ」

「こ、これは、気合入れて、宣伝しないとだね?」「う、うん!!」

山口さんと大野さん、二人の広報担当も、気合十分だった。

 

「あ……あのさ。そろそろ……」

ボソリと声が聞こえた。

 

「あ、佐藤。スマン、忘れてた」

ボクは本当に、佐藤の存在を忘れてしまっていた。