企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)047話

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クレーマー

「じ、実はですね。彼女たちは、ボクのアパートで、漫画を……」

「それは解かっています。ですが、世間はそうは見ないでしょう?」

末依 乃梨は、極めて冷静に言った。

 

「集まる理由が漫画制作というのも、問題でしょうね。世間に認知されてません」

「それじゃあ、アイドル活動だったら、良かったっスか?」

「そちらの方が、まだ説明し易くはありますね」

 

ボクは、この豊満ボディの担任教師の言葉尻から、ある推測を立てた。

「それって、学校側に、クレームがあったってコトですよね?」

末依 乃梨は、しばらく押し黙ってしまった。

 

「え、ええ……そうですね。何件もクレームが入っているのは、事実です」

「まったく、どこのどいつが文句いってんのさ?」

萩原さんが、担任に詰め寄る。

 

「匿名のSNS。それに掲示板。学生は、学業に専念すべきだという意見も、未だにあります。少なくとも、男女が同じアパートで遅くまで作業をするのは、問題でしょう?」

担任の教師は、生徒たちに問いただした。

 

「で、でも、塾なんかじゃ、もっと遅くまで拘束してるじゃん」

「お兄さんは、七時には返してくれるっス」

「それにさ。終身雇用が崩壊してんのに、学業だけに専念しろって、頭おかしいんじゃないの?」

 

萩原さんの意見に、末依先生は大きなため息を付いた。

「わたしだって、それは感じています。むしろ、漫画という特技を、お金に変えれるのであれば、あなたたちにとって貴重な体験になるうでしょう」

 

「だったら……」「でもね、学校にクレームが何件も届けられて、何の対処もしないワケには行かないの。今の時代、クレームも拡散されて、それが現実世界に飛び火して、実際に抗議に来る親御さんだっているのよ」

 

「それって、乗せられてるだけじゃ……」萩原さんの言葉は、途中で遮られる。

「ゴメン……萩原。それって、わたしたちのせいかも知れない……」

「そ、そうだね。わたしたちで、ネットに拡散させちゃったから……」

 

肩を落とす、山口さんと大野さん。

「二人のせいなんんかじゃないよ。ボクが甘かったんだ」

「そ、そんな。お兄さんが謝る必要なんて、ないっスよ?」

 

「いや。フリーランスとして、責任はあるよ」

「ま、また、辞めちゃうなんて、言わないっスよね?」

「ああ……もう、逃げない」芽美の不安そうな顔に、ボクは決意を固めた。

 

「では、どうするのです? 現時点で問題も起こしてないのに、活動の中止を学校側から要請するコトはできませんが、アパートへの立ち入りは控えてもらいます。間違いが起こってからでは、遅いですからね」

 

「ちょっと待ってよ! 間違いってなにさ!」

「こんなデカい胸しといて、ふ、ふざけんなっす!?」

芽美と萩原さんは、担任教師の後ろに回って、巨大な胸をモミほぐす。

 

「きゃああッ!! い、いやぁ……あたなたち、やぁん……止め!!?」

「うわあ、お前ら、やめろォーー!!?」

 

ボクは、二人を引っぺがした後、学校を出た。