企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)040話

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女子高生・ご立腹

「オ~イオイオイオイッ!!」

女子高生が一人、高校の机につっぷして泣いていた。

 

「原田さあ、もう少し上品に泣けないのか? ホラ、鼻水」

「ら、らって、萩原……萩原ァ!」「うわッ! 抱きつこうとすんな!」

萩原に、『チーーン』と鼻をかんでもうらう、原田妹。

 

「それにしても、酷いよね、お兄さん。いきなり逃げ出すだなんて!」

「そ、そおなんらよ、萩原ァ!」「解ったから、落ち着こう、な」

するとそこに、山口と大野もやって来た。

 

「やっぱ、荒れてんな。原田」「そりゃ、ショックだよね」

 二人は、原田妹の前の席に座って、ペットをあやすように頭をなでる。

「でも、なんだっていきなり、逃げ出したのかな?」

 

「ネット漫画雑誌も、上手く行ってたのに。ホラ」

オカッパ頭の大野は、自分のスマホ画面を、萩原に見せる。

「うわ! 反響、けっこう来てるじゃん」

 

「とくに、市川さんのスノボ漫画が、伸びてるね」

「そっか。ハワイでサムライがスノボって、話題性に事欠かないもんね」

「そういやアンタ、IT企業の漫画、描いてるの?」

 

「そりゃ描いてるよ。ネームはコイツに手伝って貰ったケド」

「手伝うっていうか、殆ど原田が描いてたよね」

山口が、メガネの弦をクイッと上げながら指摘する。

 

「う、うるさい。でも10ページなんて大作、描いたコトもないから」

「もう、描かなくていいんじゃないっスか?」

原田妹が、顔を上げないまま言った。

 

「アンタねえ。ほんとにそれでいいと思ってんの?」

「いいも何も、お兄さんがいなくちゃ、マンガもアップできないっス」

原田妹の正論に、萩原が口を開く。

 

「わたしが少し勉強すれば、アップの仕方くらいなら解るかもだケド」

「でも、企業との付き合いとか、どうするっスか?」

すると今度は、山口が名乗りを上げる。

 

「そうね。企業とのやりとりなら、わたしが何とかしてみようか?」

それに対し、萩原がキレイな顔を崩しながら言った。

「でも相手は、あの嫌味な仲介業者だよ?」「そ、そうね。こうして考えるとお兄さん、けっこう大変だったのかも……」

 

「だからって……逃げ出すなんて、軟弱者っスよ」

「そうだね。フン捕まえて、文句の一つでも言ってやらないと、気が済まないよ」

萩原も、スマホを取り出した。

 

「どこ、連絡すんの?」「市川さん。あ、あとイリヤにも」

「フランスに連絡して、意味あんの?」山口が言った。

「だって、人数多い方がいいじゃん。お兄さんの居場所も解らないんだし」

 

「そ、そうね。まずは学校終わったら、アパートに行ってみる?」

「今朝寄ったら、鍵がかかってて、もぬけの殻だったっスよ?」

「でも、大家さんに聞いてみるとかあるでしょ?」

 

「捜索願いとか、出してみる?」

「でも、身内でもないんだし、受理されるかなあ?」

山口も、萩原も、中々良い案が浮かばない。

 

「ねえ、繋がったよ?」童顔の大野が、スマホ片手に言った。

「だから誰に? イリヤ?」山口が、面倒臭そうに返す。

 

「そうじゃなくて……お兄さん」「……え?」

一同は、唖然とした。