企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)055話

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Fラン大生の共同作業

ボクと佐藤は、連日のようにストーリーを練り、キャラを考え、ネームを突き詰めた。

 

「ここは、こんなキャラがいいんじゃないか?」

ボクがラフで、キャラを描き上げる。

「おお、いいんじゃないか? つか、お前もやっぱ、けっこう描けるのな」

 

「これでも芽美たちに、アシでこき使われて、モブとか描いてるからな」

「ところでよ。ネームがもう、100ページを超えてるぞ?」

「超えてるな……キャラも、こんなに要るのか、佐藤?」

 

「おいおい、オレはお前のアドバイスを受けてだなあ?」

「悪い悪い。いい加減、ペン入れに入るか?」

「おお、そうんだな。今日はまず、1ページを目標にしよう」

 

「ああ、それな。芽美の話じゃ、リアルペン入れは、インクが乾くまでの時間とかあるから、3枚をローテで描くのがベストみたいだぞ?」

「そっか。その芽美って、あの原田の妹のちびっ子だろ?」

 

「お前、ホントにオレだけの時だけ、雄弁だよな」

「うっさい。それにしても、よく漫画のコトを知ってるよなあ?」

 

「そりゃ、ただ絵が好きで、Fラン大通いながらイラスト描いてた程度のオレらと、漫研に入ってバリバリ同人出してるヤツとじゃ、知識も違うだろ」

そう言いながら、枠線引きを進める。

 

「枠線、上がったぞ?」「お、早いな?」「まあ、水性ペンで引くだけだからな」

芽美に教わった通り、枠線は太さの揃った水性ペンで行っていた。

「佐藤もキャラ、終わってんじゃん?」「キャラだけだからな」

 

佐藤は、自分のキャラを描くのは早かった。

「ベタがまだなんだが」「それはオレがやるよ」「こっち、キャラ描いたら」

「そうだな」「ここ、集中線頼むわ」「了解……っと」

 

そうこうしているウチに、昼になった。

「メシでも食いに行くか?」「別に、冷凍スパゲティで良くね?」「だな」

Fラン大時代に、散々した会話を久々にする。

 

「なあ……漫画、もう5ページが、完成しそうなんだが?」

「ああ。そうだな、佐藤」「ひょっとしてオレら……」

「皆まで言うな……オレたちが、女子高生よりもヒマなニートなどと!」

 

結局のところ、その日は5ページが完成し、翌日には4ページ、さらに翌日には、5ページが完成していた。

 

「佐藤よ。三日で14ページは、流石に神がかってるよな?」

「まあ、得意なキャラだし、お前も手伝ってくれてるし、ネームは出来てるし」

「ほぼサッカーの試合で、キャラも抜きやアップが、やたらと多いよな」

 

「お前の雑誌、少年誌なんだろ? 良くね?」

「とりあえず、コンビニでコピーしたのをスキャンして、文字入れてアップえみるか?」

 

「それも、自分でやるのか?」「当たり前だろ。オレが文字入れるから、お前は菓子でも食いながら、チェックしてくれ」「お、優しいじゃん」「金が入るかどうかも、解らんからな」「ま、そこはあんま、期待しとらんわ」

 

その日のウチに、佐藤のサッカー漫画、14ページはアップされた。

 

山口さんと大野さんに連絡を取り、SNSで情報が拡散されると、漫画はいきなりかなりの注目を集める。

 

「お、おい。なんか、とんでも無いコトになってないか?」

「なってるなあ、おい。特に、キャラ人気が凄いぞ?」

「美形やら可愛い系の男を、大量に出してるかなら……」

 

佐藤の漫画は、確実にバズっていた。