企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)056話

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ファンタジーと株式

「うおお、なんかSNSに、オレの漫画のキャラ絵が投稿されてっぞ?」

「い、いきなりかよ。確かに女性受けを狙ってはみたが」

 

佐藤もボクも、予想外の反応にたじろいでいると、スマホに連絡があった。

「山口さんからだ。なんだろう?」「山口さんって、あのメガネのコだろ?」

「ああ、どうやら彼女も、漫画を描いていたみたいだ」「へ~」

 

ボクは指定された、名古屋発祥の喫茶店に行くと、山口さんが待っていた。

「これが原稿です。一応、原田からはチェックして貰ってるんだケド、どうかな?」

オーソドックスな茶色の封筒から原稿を取り出し、読んでみる。

 

「ファンタジー舞台の、株式のお話か?」

「幻想世界でも、定番のミスリルだとかオリハルコンって、相場とかありそうじゃないですか? そこを掘ってみようかと思ったんです」

 

山口さんらしい角度から、描かれた作品だと思った。

異世界ファンタジーも、戦争がある無しや、魔王が討伐されたかどうかで、武器屋や防具屋、金属加工業者の株価が変動するのか?」

 

「ファンタジー世界にも、経済あれば、物の価値や価格の変動もあると思うし、ギルドなんか株式でも面白いと思いました」

 

「山口さんって、株に興味があるの?」

「株だけではなく、FX、仮想通貨、不動産にも、興味はありますね。OKがもらえれば、ブログとも連帯させたいって思ってます」

 

「うん。これだけ描けてれば、いいと思うよ。さっそく、文字入れをしないと」

「それからお兄さん。税金とか、企業とのお金や発注のやりとりは、大丈夫ですか?」

 

「いや……それが、全然」「はあ、やっぱり」「色々と、雑務に追われちゃって」

「なら、わたしが会計をやりましょうか?」「え、いいの?」

 

「領収書や納品伝票は、最低月ごとに、まとめておいてください。あと、経費で落とせそうなモノは、領収書を絶対に貰ってください」

「う……うん、解った」税金関係が気になってたボクは、少しホッとした。

 

「あと、これイリヤから伝言です。例の『バニー星人がアイスクリーム屋を買収する漫画』が完成したので、パソコンに送るって言ってました」

「そうか、これでまた、連載作品が増えるんだな」

 

有難い事ではあったが、作品全ての文字入れを担当しているボクは、直ぐにボロアパートへと帰宅した。

パソコンで、デジタル入稿された原稿を受け取る。

 

「まずは、イリヤの作品チェックをするか? どれどれ……」

「なんか、かなりシュールな話だな。流石はフランス人だ」

家に帰らないまま、自分の作品を描いていた佐藤が言った。

 

「でもこれ、面白いか?」ボクは少し不安になる。

「オレは面白いと思うが?」「そ、そうか?」

 

イリヤの漫画は、投稿当初はそれ程の反応も無かったものの、口コミで徐々に人気を得て行った。

 

山口さんの漫画は、コア人気と、今まで少なかった大人の読者層を獲得する。

 

 佐藤と、市川さんの漫画も好調をキープし、ネット漫画雑誌の読者は、相当数に及んだ。