企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)049話

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漫画の報酬

「いやいやいやいや。フリーランスなんて、頭の悪い兄ちゃんか、将来終わってるオッサンしかいねえモンだろ? 女なんてマジでいんの?」

夜吸さんは、差別と偏見のかたまりのような発言をした。

 

フリーランスって言っても、漫画家の場合はそんな言葉が成立する前から、あった職業ですからね。同人も盛んですし、きっと女性の割合が多いんですよ」

ボクは、自分の見解を述べる。

 

「そ、そうかそうか。オレとしたコトが。女子高生と言っても、肩書きだけ女子高生なんだろ?」

「いや、それがですね。けっこう可愛い子も、いるんですよ」

何故か佐藤が、割り込んできた。

 

「お前、もしかしてそれが目的だったのか? 悪いんだが今、そのコトで芽美たちの学校の担任に、呼び出されていたところなんだ」

「そのコトって、なんだ?」夜吸さんが問いかけて来た。

 

「え? だから、ボクのアパートで、女子高生が漫画を描くのは良くないって……」

「お、お前、まさか自分のアパートに、女子高生を連れ込んでやがったのか?」

夜吸さんのサングラスの向こうは、おそらく真顔だった。

 

「ひ、人聞きが悪いですね! 彼女たちは、漫画を描きに来てるだけですよ。パソコンだって、ボクの部屋にある二台のディスクトップを使った方が……」

「で、学校の担任とやらには、それがマズいと言われたんじゃねえの?」

 

「ま、まあ、そうなんですが……」

「それじゃあ、これからネット漫画雑誌の制作は、どうすんだよ?」

佐藤が必死に訴える。

「それぞれで進めて、コピーかデータだけ貰うしか……」

 

すると夜吸さんが、おもむろに言った。

「だったらお前、オフィスを構えればいいんじゃね?」

「いやいや、ムリですよ。そんなに稼いでもいないですし」

 

「すぐに稼げそうだケドな。とりあえず、こないだの漫画のそっちの取り分、二十万でいいよな?」

想定したより、全然上の金額だった。

 

「ま、こっちも、安く買い叩かれないように、情弱な企業を狙ってセールスかけてんだ。1ページ三万は相場だが、それは漫画制作会社の場合であって、クラウドソーシングサイトを使えば、安くは探せる」

 

「でもそれって、ピンキリですよね」「そりゃそうだろ。オレなんか昔、漫画を描いたコトも無いヤツと契約しちまって、とんでも無い目に遭ったからな。最初は気合だけはあったんだが、途中でもう描けませんっとか、言い出しやがって……」

 

「漫画を描くのって、大変ですからね」

「もう、素人とは契約しねえ。かと言って、上手いヤツにはいつも客が付いてるし、逆にこっちが足元見られっからな」

 

「それでボクらは、最適だったと?」「まあな。一人の漫画家じゃなく、組織ってとこもメリットなんだわ。人海戦術も使えるだろうし、一人の漫画家が逃げても他でバックアップできっからな」

 

夜吸さんは、意外にも漫画について、詳しかった。

 

「夜吸さんって……もしかして……?」

「ああ……漫画家を目指してた。そんな、青臭い時代もあったっけかな?」

 

その時、コンビニのドアが開いた。