企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)138話

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普通の女子高生

「おお、温泉合宿っスか!?」

 

「それ、いいですね。土日であれば、問題は無いのですが?」

池田さんが言った。

 

「本来は市川さんの漫画の取材だからね。当然、土日で話をしてあるよ」

女子高生である市川さんのスケジュールからすれば、当然のコトだった。

 

「さ、さすがは社長さんです。佐藤先生も行きますよね?」

「お、おう……行こうかな」

池田さん相手に、断れない佐藤。

 

「も、問題もあるぞ。元は市川さんと田中さん、オレのみの予定だったんだ。これだけ大勢でとなると……」

 

「問題ねェってよ。今、宇津井さんに連絡してみたら、OKだとさ」

「さ、流石は夜吸氏っス! やるコトが、早いっすねえ?」

 

「ま、向こうの本音はさ。最近はスキーやスノボの客も減って、ゲレンデも低迷してるトコ多いから、少しでも客を呼びたいんだろ?」

 

「でも、大型スポーツ量販店を経営している企業の好意で、連れて行ってもらってるのに、誰もスノボもスキーもやらないのは……」

「流石にどうかしてるっスね……」

 

「ま、オレはスノボはやってたからな。付いて行ってやるぜ。お前はどうなん?」

「は、恥ずかしながら……どちらもまったく滑れません」

実は、今どきゲレンデすら行ったコト無いのだ。

 

「ち、ちなみに、他にスノーボードやスキーの経験者はいるのか?」

ボクの質問に、誰日一人として手を挙げなかった。

 

「あ、イリアはやってるって、言ってました」

市川さんが言った。

 

イリアはフランス人で、元は市川さんの学校に留学していたが、現在は帰国しネット経由で漫画を送ってもらっている。

 

「流石にフランスから呼ぶワケにも、行かんだろ」

「それならこの際、みんなで経験してみるのはどうよ?」

そう言ったのは、萩原さんだった。

 

「おお、萩原と今井っちも来たっスか?」

「はい、来ました。原田先パイ!」

「やっぱ二人も、スノボやスキーの経験無いっスか?」

 

「あるケド、小学校入る前くらいだったからな。あんま覚えてないや」

萩原さんが言った。

 

「でも、ウェアやスキー、スノーボードは……」

「そりゃ、他で買ったら殺されるっスよ……」

「だな、アホな質門した」

 

「でも、どうせ買うなら、カワイイのがいいよね?」

「ですね」「だったらこの後、お店行ってみない?」

女子トークに花を咲かす、少女たち。

 

「こうしてみると、ただの女子高生たちですね」

「ああ……普通のオッサンなら、営利目的で動くところだが……」

「ただ青春を愉しんでいる、普通の女の子たち……」

 

彼女たちは、漫画で収入を得られたとしても、それはアルバイトの延長線上くらいにしか思っていないのだろう。

自分で生活費を稼ぐ必要のある、大人とは違うのだ。

 

「ウチがやっていけてるのも、そのお陰なんですケドね……」

ボクは心から、彼女たちに感謝した。