企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)137話

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スノボ合宿

「よーするに、一人では素早く動ける、大勢でやれば凄いコトができる……どちらのメリットを生かすべきかって話っスね?」

 

「流石はビジネスマンの国、オランダってトコだよな」

佐藤が言った。

 

「オランダって、そんなにビジネスの国なんスか?」

オランダ東インド会社は、世界発の株式会社だとも言われてるし、オランダ人自体がビジネスライクで合理主義なんだよ」

 

「へ~、佐藤先生って物知りっスね」

「原田先パイ、佐藤先生に色目つかわないで下さい!」

佐藤の前に、池田さんが仁王立ちをする。

 

「いや、使ってないっス」

芽美はそういうと、ボクに背中を預けた。

 

「それにしても、ウチはどうなんだろう? 漫画家のみんなとは、雇用契約じゃなく仕事を振っている関係だしな」

 

「つまり社員はゼロで、経営者のお前一人ってコトか?」

「一人の編集なんて、変わってますよね?」

田中さんが言った。

 

「そもそも、ネット漫画を連載している企業も、あまり聞かないからね」

 

「でも漫画家全員、お兄さんの仲間ですよ。だから、遠くにだって行けちゃうんです。合宿とか!」

市川さんは突然、雪山のパンフレットをテーブルの上に置いた。

 

「スノボの取材をしたいって、言ってたもんな。市川さんと、アシである田中さんは、宇津井さんや、社長の方にも話を通してあるよ」

 

「あそこの社長も実は、スポーツ用品の大手販売店を経営しているだけあって、昔はゲレンデで女のコ相手にブイブイ言わせてたみてーだしな」

 

「え、そうなんですか!? けっこう強面な社長さんですよね、今は……」

「だから昔の話だよ。最も当時は、スノボじゃなくてスキーだったらしいがよ」

夜吸さんから、意外な話が聞けた。

 

「そ、それでですね。スノボ合宿、みんなで行きませんか!」

市川さんが、勇気を振り絞ったように言った。

 

「え? でも、スノボ合宿と言っても、実際にスノボをやるワケじゃなく、あくまで取材や撮影がメインなんだよね?」

 

「みんなでと言われても、オレたちまで付いて行って、いいものなのか……」

サッカー漫画を描いている佐藤には、ゲレンデは関係の無い場所だった。

 

「で、ですから、ここを見てください!」

市川さんは、パンフレットの一部を指さした。

 

「ん……温泉!?」

「ひょっとして、みんなで温泉旅行に行こうって話っスか!?」

 

ゲレンデは当然ながら山の斜面にあり、日本の多くの山には温泉が湧いているのだ。

 

「はい、みんなで雪山温泉合宿をしましょう!」

 

雪山のゲレンデまで行っても、一切スキーもスノボもやらないという、いかにもネット漫画雑誌にふさわしい合宿が、提案された。