企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)116話

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セルフィッシュ

「な、なに言ってるのかな? お兄さんは、原田と付き合ってるんだよ?」

なんだか顔が熱い。

 

「でも、気にはなってるんでしょ、市川先パイも」

田中さんも、激しく食い下がる。

 

「そ、そんなコト無いって!」

「あ、しゃちょーですか? 今、市川先パイの実家です」

「うわあ、もう電話しちゃってる!?」

 

「はい、そうですね。それでは、市川先パイの実家に来て下さい。場所わかりますか? 今から地図送りますんで……」

 

「た、田中さん! なに、ウチに呼んでるの?」

「しゃちょー、今から来ると、言ってました」

 

「言ってましたじゃないよ、もう! 勝手に呼んじゃって……アワワ、ど、どうしよう。ぬいぐるみとかあったら、子供っぽいって思われちゃう!」

わたしは、必死に部屋の片づけを始めた。

 

「そんなに必死に片づけなくても、萩原先パイの部屋に比べたら、綺麗なモノじゃないですか?」

 

「いいの! アイドルグッズもどこかに片づけて、あと同人漫画も見せられないヤツは、クローゼットに入れなきゃ!」

 

そうこうしているウチに、玄関のインターフォンが鳴った。

「あらまあ、お若い社長さんだコト。娘がお世話になってます」

「い、いえ、こちらこそ……」

 

「もう、お母さんったら、なに話してんのォ!?」

急いで階段を駆け下りる。

 

「ご、ごめんね。ちょうど、近くだったから寄らせてもらったよ」

「い、いえ。どうぞ。散らかっちゃってますケド……」

急いで階段を、引き返すわたし。

 

「ちょっとアンタ、スカート穿いてんだから……」

「うわああッ!!?」

慌ててお尻を押さえるも、お兄さんが下で顔を逸らしていた。

 

「ゴメンなさいね。落ち着きの無いコで……」

「い、いえ。そんなコトは……」

 

一階から、声が聞こえたがわたしは、自分の部屋に駆け込んだ。

「もう! 田中さんのバカ……お母さんのバカ……」

 

「なに怒ってるんですか、市川先パイ」

「ま、まあまあ。それより、オレを呼んだ用件って何だい?」

 

「あ、それがですね。市川先パイは、スノボ漫画描いてるのに、スノボやっとことが無いどころか、ゲレンデにも行ったコトがなくてですね」

 

「な、なる程ォ。言われてみればそうだよな。今は、企業とのタイアップもしてるから、リアリティも重要になるモンな?」

 

「で、でも我がまま言ってられないですよ。グンナーさんのスノーボードも、写真からのアップ許して貰ってるし」

 

「ん~、そこは我がままでいいんじゃないかな? プロが作品の品質にこだわるのって、有りな我がままだと思うよ」

 

「そ、そうかな?」

 

「うん。でも、まだ九月だからなあ。もう少し先になるとは思うケド、スノボのゲレンデ情報なんてボクも解らないからさ。一度、宇津井さんやグンナーさんに、話しをしてみるよ」

 

お兄さんは、優しく言ってくれた。