企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)115話

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ウィンターシーズン

「ううう、忙しくなって来たぁ!」

わたしは、漫画用原稿用紙と睨めっこしていた。

 

「市川先パイの漫画って、企業タイアップのスノボ漫画ですからね。これからが本番じゃないですか?」

ウチに手伝いに来てくれていた、田中さんが言った。

 

「他の学校なのに、わざわざ娘を手伝いに来てもらって、ゴメンなさいね」

お母さんが、ケーキと紅茶を田中さんのテーブルに置いた。

 

「いえ、お構いなく。わたしも漫画の技術をアップできますので」

「そお? 娘ったら、漫画で稼ぐようになっちゃって。いっそ、そっちの道に進むのもありかなって、最近思ってるんですのよ」

 

「も、もう。お母さん、用が済んだら出て行って。気が散るじゃない!」

お母さんったら、恥ずかしくて仕方がない。

 

「でも、理解のあるお母さんで、良かったじゃないですか?」

「まあ、バイトするより稼いじゃってるからね」

 

「他の先パイ方と違って、連載ですからね。毎月振り込まれますもんね」

「そ、そうなんだよォ。お母さんたら前は勉強しろってうるさかったのに、最近はお金に目がくらんじゃって……」

 

「それは仕方ないですね。それに、娘の夢を応援もしてるんじゃないですか?」

「そうかなあ? でも、わたしの漫画も、いつまで契約して貰えるか……」

 

「何を言ってるんです。スノボサムライですよ! これからウィンターシーズン真っ盛りじゃないですか?」

 

「そうなんだケド、わたし……スノボ漫画描いてるクセに、スノボやったコト無いんだよ?」

 

「それは別に……宇宙を題材にしたロボットアニメなんて、たくさんやってますよ? アニメーターも監督も、まず宇宙パイロットじゃないじゃないですか?」

 

「極端だなあ……でも、せめて現地に行ってみたくはあるよ。雪が積もったコースを実際に見るだけでも、違うと思うんだ」

 

「コースも競技も、今は動画で見れますが、やっぱ本物は違うんでしょうか?」

田中さんは、紅茶を飲みながら言った。

 

「グンナーさんの滑ってる動画なら、何度も見たし迫力もあるんだケド……」

「それなら宇津井さんって人か、グンナーさんに打診してみましょう?」

いきなりスマホを取り出す、田中さん。

 

「え、してみましょうって……まずはお兄さんに、確認取ってからでないと!?」

わたしは慌てて止める。

 

「それもそうですね。それじゃあ、しゃちょーに聞いてみましょう」

「うわあああ、そ、そそ……そんな急に!!?」

 

「やっぱ市川先パイも、しゃちょーのコトが好きなんですね?」

「あ……や……?」

 

わたしは、言葉が出なかった。