企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)093話

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漫画の原動力

「オイ、入るぞ。お茶持ってき……」

「……ッ!!?」

 

次の瞬間、アタシの脚は兄貴のミゾ落ちにめり込んでいた。

 

「グハァッ!? ……な、なんで……お前が買って来いって……!?」

辺りに、コンビニの袋から飛び出した、ジュースやポテチが散乱する。

 

「タイミング、悪すぎっス!」

「オイ、原田……大丈夫かッ!!?」

「グブオゥ!!?……」 

 

鷹詞が、床に崩れ落ちた兄貴に声をかけている間に、アタシは漫画のネームを元の引き出しにネジ込んだ。

 

「原田……お兄さん、コンビニでジュースとか買って来てくれたんだろ」

散らばったジュースや菓子を拾い集める、鷹詞。

 

「だって、あのタイミングで入ってきたら、そりゃ焦るっスよ!?」

「オレもいずれ、同じ目に遭う日が来るのだろうか……」

 

「いやあ、それは無いんじゃないっスかね?」

自信は無かったが、誤魔化した。

 

「相変わらず、お兄さんにはメチャクチャするね、原田」

「ゲッ、い、市川……どうして、ウチに!!?」

 

「コンビニで、原田のお兄さんにばったり会って、付いてきたんだよ。二人は何してたの? 新連載の打ち合わせ?」

「まあ、そんなところかな……」

 

彼氏がヘラヘラ誤魔化しているのを見ると、何故かイラッとする。

 

「市川さんは連載の方、大丈夫なの?」

「来月のは、こないだマンションで、お兄さんがボードのデザインをはめ込んでくれたんで、完成間近です」

 

「アレは、オレが投げ出したのを、萩原さんと今井さんが引き継いでくれたんだ。ほとんど、二人の仕事だろ?」

「最大の決めシーンは、お兄さんの仕事ですケドね」

 

彼氏が、幼稚園からの幼馴染みと話してる。

「鷹詞、萩原のマンションにも行ったんスよね?」

「そうだな。ボードのデザインをしたグンナーさんの車でな」 

 

アタシが現実から逃げ出した日々にあった、アタシの知らない出来事だった。

「まったく、どうしちゃってるんスかね、アタシ……」

 

自分でさえ、おかしな反応をしていると気づく。

 

「なんか、思い悩んでるコトでもあるのか、芽美」

鷹詞が言った。

 

「なな……ないっスよ。あるとしたら、新連載についてっス!? SNSで、バカにされまくったから、見返してやりたいんスよ」

 

「原田、読者さんとずいぶんやり合ってたモンね。良くないよ」

「じ、自分の作品をバカにされて、黙ってられるかっス!!」

 

「お前、言ってたよな? 漫画家ってのは、現実世界(リアルワールド)で起きた、嫌な出来事を作品に叩きつけるんだって」

 

「そ、そお……っスね。ネーム、描いてみるっスか!」

その日、アタシの手に握られたシャープペンは、真っ白なコピー用紙を次々に埋めた。