企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)094話

f:id:eitihinomoto:20190827235910p:plain

後輩は探偵?

今日、わたしのマンションに来てるのは、後輩の今井さんだけだった。

 

「萩原先パイ、背景上がりました」

「早いね、今井さん? ビルとか描くの、大変だったんじゃない?」

 

「それがですね。この間、社長に教えて貰ったテクニックを使ってみました。スマホでビルの写真撮ってきて、線画を抽出してハメ込んでみたんですよ」

 

「違和感ないね、器用なモンだ」

わたしと今井さんは、妙に気が合った。

「今井さんって、パソコン得意みたいだケドどうして?」

 

「ウチの親父が、パソコンマニアってだけですよ。必要以上に大量に作っちゃうんで、わたしも貰ってるんです」

「今井さん以外にも、貰えるの?」「ウチは兄がいますからね」

 

「だ、だよねえ」ちょっと、早とちりをしてしまった。

「あ、先パイも欲しいですか? 良かったら話してみましょうか?」

 

「あ、いいよ。そんなつもりで言ったんじゃ、無いからさ」

ホントは、そんなつもりで言ったのだ。

 

寛実、ジュースとお菓子持っていきなー」

「や、やだな、お母さんったら。ちょっと待っててね」

 

わたしは慌てて部屋を出ると、お母さんからジュースとお菓子だけ奪い取って、部屋に帰った。

 

「ま、作業もひと段落付いたし、お菓子でも食べて」

「あ、いただきます」

わたしは一人っ子だから、今井さんは妹のように思えた。

 

「ところで、萩原先パイ……?」「ん、なに?」

わたしもポテチを一枚、口にくわえる。

 

「萩原先パイ、社長のコト……好きですよね?」

「ふ、ふえッ!?」思わず叫んでしまった。

 

「ど、どうして、そ、そんなコト……」

「だって、社長に対する態度を見てりれば、わかりますよ」

 

「ええ~?」わたしは、顔が熱くなって行くのを実感する。

「でも社長、今は萩原先パイと付き合ってるんですよね?」

 

「そ、そうだよ。いきなりなに言って……」

「でも、原田先パイって、漫画のコト一辺倒な方って聞きました」

「まあね。アイツは漫画に関しては、かなり研究してるから」

 

「社長と、合いますかね?」「ど、どうかな?」

「いずれ別れそうだと、思ってませんか?」

「えええ!? そ、それは本人たち次第というか……」

 

「考えたコトは、あるんですね?」

「ま、まあ考えたくらいは……あるかな?」

妹っぽいと思っていた後輩は、かなり詮索好きなコだった。

 

「今井さんって、やっぱ探偵モノとか好き」「大好物です、ハイ」

「やっぱそうだよね」

なんと言っても、『ヴァンパイア探偵』に憧れて来たコなのだ。

 

「ヴァンパイア探偵の主人公の探偵って、先パイのキャラデザですよね?」

「そうだケド?」「モデルは……」

「あ~もう、社長ってか、お兄さんだよ!」

 

「ホウホウ?」「そうやって、無神経なフリして詮索するの、辞めな」

「は~い」今井さんは、ケロッとした表情で、返事をした。