企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)077話

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三人の後輩

「さ、さすがは社長。見事なアドバイスです」

大野さんの後輩の、田中さんが言った。

 

「自分もそう思います。原作を描いて、編集もできて、担当もこなせるなんて」

今井さんも、なにやら瞳を輝かせている。

 

「やっぱできる人は、違うね。クラスの男子が子供に見えちゃう」

池田さんの目には、ボクはどう映っているのだろう?

 

彼女たちの中で、最近までニートをやっていて、ボロアパートでダラダラしていたヤツの評価は、恐ろしく膨らんでいるように見えた。

 

「いや、オレは大したコト無いよ。ネット間案が雑誌は軌道に乗っているのも、みんなの先パイが、一生懸命に漫画を描いてくれたお陰なんだ」

 

「確かに、先パイたちもスゴイと思いますが」

「社長さんも、スゴイですよ」

「だって、企業さんとも社長さんが、お付き合いされてるんですよね?」

 

「ま、まあね」

社長と呼ばれるのは、ものスゴク違和感がある。

「と、ところでみんなは今、アシスタントをしてくれてるの?」

 

「自分は尊敬する萩原先パイの漫画の、背景とか描いてますね」

今井さんが言った。

 

「それじゃヴァンパイア探偵の、背景描いてくれてるんだ」

「はい。自分も萩原先パイみたく、パソコンとか得意な方なんで、デジタルで写真とか参考にしながら仕上げてます」

 

「わたしは佐藤先生のサッカー漫画に憧れて入ったんですが、残念ながら男である先生とは、仕事場は別ですからね」

池田さんが言った。

 

「ああ、アイツはオレのアパートが仕事場だからな」

「でも、先パイたちの時代は、一緒に作業されてたんですよね?」

「ま、まあね。芽美たちに担任からクレームがあったからね」

 

「いいなあ、わたしも佐藤先生と、一緒に仕事してみたかった」

佐藤のヤツも、池田さんの頭の中では、かなり性能を盛られている。

 

「わたしは、市川先パイのアシをしてます」

田中さんが言った。

 

「でも、市川さんは他の学校だよね?」

「萩原先輩のマンションにはよく来るので、そんなに問題は無いですよ」

 

「そっか。実は萩原さんのマンションって、言ったこと無いからな。どんな風に作業してるのか、想像がつかないよ」

「そ、その辺は……普通ですよ、普通」

 

田中さんの口ぶりから察するに、あまり普通には思えない。

「実は市川さんは今度、スポーツ用品の大手ショップの運営会社と、契約することになってさ」

 

「はい、さすがに知ってますよ」

「それなんだケド、企業側が使ってくれと言ってきてる、スノーボードのデザインが複雑でさ」

 

「どんなのですか?」「実物はまだ見せれないんだケド、こんな感じ」

ボクは田中さんに、企業のオリジナルブランドの、カタログを見せる。

 

「た、確かにこれは……複雑ですね」

「今、企業側に、実物写真の使用をお願いしてるんだケド、もし無理なら……」

「これを、描くしかないってコトですよね?」

 

田中さんは、みけんにシワを寄せた。