企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)096話

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第十世代CPU

「そういえば今井さんって、漫研入ったの六月だったよね?」

わたしは、隣を歩く後輩に質問する。

 

「そうですね、自分は漫研って原田先パイみたいな人が、同人っぽい作品描いてるイメージしか無くて、ちょっと敬遠してたんですよね」

 

「まあ、原田はザ・同人作家みたいなイメージだもんね」

「なので、自分みたいな推理マンガや、探偵マンガはちょっと違うのかなって、思ってたんですよ」

 

わたしたちは地下鉄に乗って、電気街でもある繁華街にやってきていた。

「でもですね。先パイのヴァンパイア探偵の連載が始まって、こんな凄い漫画を描いてる人が同じ学校に居たんだって気付いて……」

 

「そういえばSNSで、めちゃくちゃ探偵モノに詳しくて、作品推ししてくれてたファンがいたケド……」

「あ……それたぶん自分です」ファンの正体は、身近なところに居た。

 

「正直、お兄さんの原作があっての、ヴァンパイア探偵だからね」

「いえいえ、そんなコト無いですよ。萩原先パイの絵、近代的っていうかお洒落っていうか……洗練されてて作品に合ってます」

 

「そ、そお? 確かに原田と違って、アニメや漫画ってそこまで見ないし、ファッション誌とかよく読んでるからかな?」

 

「ですよね~。萩原先パイってガサツだけど、お洒落ですから」

「ガサツってなんだよ、ガサツって!?」

 

「読んで字の如くです。パンツ丸見えでソファに寝っ転がってる辺り、自覚ありませんか?」

自覚も、無くはなかった。

 

「だ、だって、女同士なら気にするコト無いじゃん?」

「そ~ゆ~油断が、社長の前でも出てるんじゃないですか?」

 

「う~ウルサイ後輩だ!?」「図星ですか……」

前に自作パソコンを組んだときのコトを、思い出していた。

 

「あ、見てください。第十世代の新しいCPUが出てますよ?」

「ホントだ。最近、ネット漫画雑誌の自分のページや、自分のブログでやってるアフィリエイトが好調でさ。お小遣いに余裕があるんだよね?」

 

「化粧品や小物のブログですよね? 自分も見てますよ」

「山口にやり方ってか、ノウハウ教えてもらって、それから好調なんだよね」

 

「じゃあ、買っちゃいましょうよ!」

「CPUしか買えないケドね……」

 

CPUだけ買って、レジでお金を払っていると、うしろから声がかかった。

「あ、萩原さんたちも来てたんだ。さっそく、最新のCPU買ってるんだ?」

 

「うわあ、お、お兄さん!?」「しゃちょー!!?」

わたしは、心臓が飛び出そうなくらい驚いた。

 

「オレは、組んだばかりだし、あまり予定も無いんだが……」

そう言いつつも、明らかに羨ましそうな目を、CPUの入った袋に向けるお兄さん。

 

隣に原田の姿は無かった。