企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)092話

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腐ってやがる……

「けっきょく、漫画を描くのに漫画から離れて、一から何かを始めるってのは、どうかと思ったっス」

 

アタシは、自宅の自室に呼んだ鷹詞に、恐る恐る言ってみた。

 

「アタシが一番詳しいのは漫画っス。なら、漫画の世界について描けば、いいんじゃないかと思ったっス」

 

「でも、漫画の世界を描いた漫画なんて、そこそこあるんじゃないのか?」

予想通りの答えを返す、彼氏。

 

「アタシが描くのは、今までの漫画の枠に縛られず、自分でネット漫画雑誌を立ち上げる、主人公の話っス!」

「そ、それって、芽美……オレのコトなんじゃ!?」

 

「そうっス。問題無いっスよね? 最初に話を聞いたとき、鷹詞をモデルにした漫画を描いてもOKって約束だったっス」

「そう言えば、そうだったな? でもオレ、てっきり同人漫画の話かと思ったよ」

 

「最初は、同人漫画にする予定だったし、ネームも描いたんスけど、サッカー漫画描くのが忙しくなって、断念したんスよ……」

アタシは、チラリとネームの隠してある、机の引き出しを見た。

 

「ん、ここに入ってるのか? どれどれ?」

「うわあ、開けちゃダメっすゥ!!?」

 

必死に止めたが、時すでに遅かった。

 

「こ……これは!? オ、オレ……大変なコトになってるんだケド!?」

「ま、ままま……まあ腐女子の描く漫画は、こんなモンっすよ!」

 

「……つ、つまり?」

「男の娘が妊娠するなんて、当たり前っス!!?」

 

「オレは、男の娘じゃねェよ!! 勝手に妊娠させんじゃない!!」

やはり、誤魔化しきれなかった。

 

「今の時代、受けの男が妊娠するのは、とーぜんなんスよ? むしろ妊娠しないなんて、異常っス。完全にアウトっス!!」

 

「とんでもない時代が来てんだな、オイ!?」

鷹詞は、真夏なのに寒そうに震えていた。

 

「め、芽美はまだ高校生だろ? こんな漫画描いちゃ、ダメじゃないのか?」

「ベットの下の本や、パソコンのいかがわしい画像はOKっスか?」

 

「あッ、ああ……アレは、その……まあ、な?」「なにが、まあっスか!?」

アタシは、どさくさに紛れて、鷹詞からネームを取り上げる。

「ホントはこのネームも完成させて、去年の夏コミに出す予定だったのにっス」

 

「そんなコトされたら、オレはとんでも無いコトになってたぞ!? と、とりあえずそのネームが、日の目を見ずに済んでよかったよ」

 

「主役の受けのコも、完全に鷹詞にはしてないから、身内にしかバレないっスよ」

「それだけで致命傷だわ。とにかく、ダメだかんな!」

 

「わ、わかったっスよ。それなら……」

アタシは鷹詞の顔の前で、目を閉じてみる。

「な……なな、なんだよ、急に!?」

 

鷹詞が、どんな反応をするのか確かめて見たかったし、アタシがどんな反応をするのかも、知りたかった。