企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)090話

f:id:eitihinomoto:20190823234705p:plain

残暑を乗り切るハンバーグ

海から帰ると、再び忙しい日々が待っていた。

 

芽美と付き合い始めたボクはファミレスで、彼女の新たな連載を共に考える。

 

「どんなのが良いっスかねえ、鷹詞?」

「なにか、ため込んであるアイデアとか無いのか?」

 

「あるにはあるんすケドね。正直、今回の件で思い知らせたっスよ?」

「何を?」

 

「やっぱ少年漫画って、リアリティというか、なんかそういうのが大事なんだろうなって思ったっス」

「サッカーなんかとくにそうだケド、実際にサッカーをやってたり、昔やってたヤツらが読むワケだからな」

 

「でも、リアリティが重要なのは解かるんスけど、リアルに描けるかって言われると、中々厳しいっスよ?」

 

「まあな。とりあえずこの『残暑を乗り切るハンバーグ』でも、頼むか?」

「鷹詞、夏バテっすか?」「いやあ、午前中打ち合わせだったからね」

 

午前中は、グンナーさんと市川さんを交えて、漫画のカラータイトル表紙の作成会議を開いていた。

 

「グンナーさんって、あれからかなり、Gペンとかの練習をしたみたいなんだケドさ。けっきょく、上手くは描けなかったみたいで、実はまだ落ち込んでるんだ」

 

スウェーデン人の190センチの男の人っスよね? 手が大き過ぎて、厳しいのかも知れないっスね」

「確かに、バスケでも身長が高すぎると、フリースローが苦手って選手もいるからな」

 

「バスケっすか? バスケ漫画とか、どうっスかねえ?」

「芽美、バスケは詳しいの?」「ぜんぜんっスね」

 

「芽美、漫画やアニメの他に、なにが詳しいんだっけ?」

「漫画やアニメが詳しいだけで、他は大して詳しくないっス」

 

「それって、マズくないか? 今の時代、何かと専門性が求められるぞ?」

「マズイっすね。漫画を描く以上、その分野くらい詳しくないとダメなんスよ!!」

 

「だから言ったでしょ。漫画って、頭良くないと描けないのよ?」

前の席に座った、山口さんが言った。

「それ、初耳だケド、芽美言われてんの?」「ま、まあっス」

 

「勉強をおろそかにするから、漫画の引き出しが少なくなるのよ」

「う、うっさい。漫画は、勢いで描くモノ……って、前は反発してたっスけど、やっぱ勉強も必要なんスかねえ?」

 

「そうだなあ。知識の引き出しや、応用の幅は広がるかもな?」

元Fラン大生が、偉そうに言ってみる。

 

「でも、勉強だけじゃなくてさ。ファッションとか、パソコンとか、色んなモノに興味を持つべきだと、わたしは思うよ」

 

「萩原に言われても、どうなんスかね? 鷹詞に、原作描いてもらってるし」

「でも、二人の意見も、一理あるかもな?」「ふえ?」

 

「そうだなあ。いったん漫画を離れて、他のコトをやってみるのはどうだ?」

「た、鷹詞、意外にスパルタっす!!?」