企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)129話

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ムキーーーッ!!?

「ウチのデザイン事務所も、最初はデザインやってて凄いなあって思ってました。でも実際に受けるのは、無難なデザインのアレンジが殆どだったりして……」

晃さんは言った。

 

「晃さんは、元々デザインに関心があったんですか?」

ボクは、なにげに聞いてみた。

 

「はい、美大を出てますから。あ、でもパソコンはちょっと苦手なんです」

晃さんは、才能で絵を描くタイプと感じた。

 

「ボクは、パソコンの方が得意かな。やってるコトと言えば、漫画の文字入れや背景のハメ込み……ネット漫画雑誌の表紙を、毎回作るコトくらいですケドね」

 

「へー、それじゃあ、お邪魔しますね」

見学する気、満々の晃さんはアパートの部屋の扉を開けた。

 

「おわッ!? やっぱ見学していくんですか!?」

ボクは、慌てて後を追う。

 

「アレ……誰か寝てますよ? 妹さんですか?」

「いえ、ボクに妹はいません……って、やっぱ芽美か!」

 

キレイとは言い難い畳に寝っ転がっていたのは、原田 芽美だった。

 

「そう言えば、合いカギ渡してたんだっけ。ホラ、こんなところで寝てると風邪ひくぞ」

「あや? 鷹詞がいる……ここはどこっスか?」

 

「なんか、小っちゃくて可愛らしいコですね?」

するとボクの肩越しから、晃さんも芽美を覗き込んだ。

 

「……んなッ!?」

慌てて飛び起きる芽美。

 

「鷹詞、その女は誰っすかぁッ!!?」

ボクと晃さんの間に、割って入る芽美。

 

「ああ。話すと長くなるんだケド、デザイン事務所の晃さんだよ」

「どうしてデザイン事務所の女が、ウチに居るんスか!?」

 

「ここはお前の家じゃなくて、オレのアパートな。実は、成瀬さんって社長と話す機会があって、業務提携を結んだんだ。それで、晃さんがウチに見学を……」

 

「見学ゥ!? この汚らしいアパートなんか見学して、ど~するっスか!?」

「それに関しては、オレも同意なんだが……まあとりあえず、見てもらうコトになったんだよ」

 

「フ~ン、随分と大人な感じの女っスね」

「お前が、チビッ子なだけだろ?」

「チビッ子言うなっス!? 大体、鷹詞は女と馴れ馴れしく……」

 

「あの~このコは?」後ろから問いかける、晃さん。

「あ、ボクの彼女なんです」

 

「え、そうなんですか? 見たとこ、小学生か中学生くらいに見えるんですケド」

「ムキーーーッ!!? こ、この女ッス……!?」

 

「あ、こう見えて原田先パイ、わたしの先パイだったりします」

池田さんも、咄嗟にフォローする。

 

「そうなの? あなたも子供っぽいと思ってたけど、そんなモノじゃないわね?」

さりげなく、二人の逆鱗に触れる晃さん。

 

「ムキーーーッ!!? わたしのどこが子供っぽいって言うんですか!」

「ムキーーーッ!!? その池田なんて目じゃないって言ったっスね!?」 

 

彼女は意識すること無く、人を怒らせる性格の様だった。