企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)105話

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カネちー

「テメー、なに勝手に人の部屋入ってんだ!?」

乱暴なモノ言いの男が、部屋にいた。

 

仕方なく男の部屋へと入り、コンビニで買ったコーラとポテチを広げる。

「聞いてんのか、オラ!? だから、なに人の部屋入ってんだよ!? 夜吸から連絡あったケドよ。アイツの嫌がらせか?」

 

「まあ、そんなトコかな。実はオレ、ネット漫画雑誌を始めてさ。これが、ことのほか上手くいってんだわ」

 

「な、なんだよ……テメーの自慢話なら、家かネットでやってろ!?」

森兼 明人は、かなり精神的に荒れていた。 

 

「あ、カネちーも、この漫画読んでるっすか?」

芽美が、床に転がっていたコミックスを拾い、読み始める。

 

「お、おう……って、勝手に読んでんじゃねえ。それになんだよ、カネちーって。もっとマシなあだ名で呼びやがれ!?」

 

「ところでカネちーは、どんな漫画描いてんだ?」

ボクはサラッと問いかける。

「はあ? ヤッくんに聞かなかったのか? 1ページも描いてねーよ」

 

「それは、企業漫画の話だろ? 賞に応募するとかで、描いてる漫画とか無いの?」

「あ、あるケド……それが、なんだってんだよ?」

 

「見せてくれ」「イヤだよ!!」

「どこにあるんだ?」「だ、誰が教えるかってんだ!?」

森兼 明人は、一瞬目をそらす。

 

「仕方ないなあ。まあ、ポテチでも食えよ」

「フン……じゃあ、部屋に上がり込んだ代金として、喰ってやるよ」

 

カネちーは、ペン立てに刺してあった割り箸で、ポテチをつまむ。

ペン立てには、Gペン丸ペンも刺さっていた。

 

「鷹詞、あったっスよ。原稿!!」

芽美は机の引き出しから、漫画原稿を取り出した。

 

「おわああッ!!? な、なに勝手に見てんだよ!?」

「ゲゲ……作画、めっちゃ上手いっス!!?」

「だから、勝手に見んな?」カネちーは、芽美から原稿を取り上げた。

 

「それだけ書けて、なんで企業漫画が描けなかったんだ?」

「フ……それは、オレが描くに値しないと、判断したからだ」

 

「自分で描くと言っておいて、それは嘘だろう?」

「プレッシャーに、負けたっスね?」

 

「う、うるさい! ケンカ売ってんのか!?」

「でも、作画はかなりのもんだぞ?」

 

「問題は内容っスね。作画レベルが高いと、内容も高いレベルを要求されがちっスから……」

 

「まあ、そんなトコだ。お前らの雑誌も、ヴァンパイア探偵とかまあまあ作画レベルが高いヤツもいるが、オレに言わせればまだまだだね」

 

「ウチのネット漫画雑誌を知ってるっスか?」

「ああ、知ってるぜ。こないだ打ち切りになった、クソつまんねーサッカー漫画描いてたの、お前じゃね?」

 

「んな!? そ、その嫌味な口調……まさかSNSで、アタシの漫画を散々コケにした、陰気陰険性格壊滅ヤロウってっス!!?」

 

「ああ……オレだよ」

カネちーは、堂々と胸を張った。