企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)111話

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「オレのサッカー漫画は、主人公の少年が自分のクラブチームに、色んなキャラをスカウトしてくるのも売りの一つだ」

佐藤は言った。

カリスマ美容師ドリブラー

「つまり、どれだけ個性的なキャラを仲間に加えられるかが、かなり重要になってくる。いずれは自分のチームに入って、サブ主人公クラスにしたいところだからな」

ボクも、それに付け加える。

 

「そ、それじゃあ、採用していただけるのですか?」

池田さんは、真剣な表情で言った。

 

「ああ、ありがとう、池田さん」

佐藤は素直にお礼を言っていた。

 

「だがな、佐藤。アイデアは良いと思うが、カリスマ美容師のドリブラーを、どうやってストーリーに絡めていくかだな?」

 

「う~む。単純に、カリスマ美容師でした……じゃ、面白味に欠けるってコトか? どんな演出が良かろう?」

 

「あの……それも、少し考えてあるんです」

池田さんは言った。

 

「どんなの?」「聞かせてくれ」「は、はい」

佐藤の要求に、池田さんは僅かに頬を赤らめる。

 

「このドリブラーの人って、元々かなりイジメッ子じゃないですか」

「イジメっ子……というか、ヤンキーか不良だケドな」

 

「それでですね。このイジメられてそうで、冴えない感じのクラスメイトに、髪を切ってやるから500円よこせって要求するんですよ!」

 

「でも不良にしては、請求金額が安くないか?」

「で、でもですね……佐藤先生。このドリブラーのコは、本気でカリスマ美容師を目指してるんです」

 

「お、おう?」佐藤先生は、池田さんの勢いにひるむ。

「自分の美容師としての腕は、まだまだだと解かっていて、500円という金額を請求したんです」

 

「それで、どうなるの……池田さん?」

「はい。周りには、ドリブラーのコの仲間の不良たちも、冴えないクラスメイトを取り囲んでいます。彼らにしてみれば……」

 

「そ、そうか! なる程」佐藤が叫んだ。

「つまり、周りを取り囲む不良にしてみれば、このドリブラーは冴えないクラスメイトに、髪を切るというイジメをした上に、金銭まで要求してると思ってるのか?」

 

「はい……ですが、実際に仕上がった髪型は最新のヘアスタイルで、それがたったの500円なんです!」

「最初は泣きそうだったクラスメイトも、ハッピー笑顔になってるワケだ」

 

佐藤の表現は古臭いが、話しは面白く意外性に富んでいた。

「うん。おもしろいな。さっそくウチで、ネームに仕上げてみるか?」

「そうだな。池田さんも、コイツのアパートに来るか?」

 

「さ、佐藤先生と……社長のアパートにィィッ!?」

真っ赤な顔の、池田さん。

 

「ふ……ふえええぇぇえ!!?」

彼女は、かなり想い入れが激しいコだった。