企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)119話

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クラブ代表

「なあ、ホントに大丈夫なんだろうなあ?」

佐藤は翌日になっても、相変わらずだった。

 

「大丈夫ですよ、先生! わたしが付いてますから」

「う、うん。よろしく頼むよ、池田さん!」

どちらが高校生で、どちらが社会人かわからない。

 

「それじゃ、乗ってくださーい。わたしの車、日本のオフロードね。安心安定安全ね」

巨漢のグンナーさんでも乗れる車は、日本人の三人が乗っても余裕の広さだった。

 

「それじゃ、お願いします。グンナーさん」

「オーケー、いきまーすね」

 

軽快に走り出す、四輪駆動車。

街中ではさすがに燃費が悪いのだろうが、雪道には強そうだ。

 

「グンナーさんって、サッカーは解かるんですか?」

かつてはプロのスノーボーダーで、今はスノーボードのデザインを手掛けるグンナーさんに聞いてみた。

 

「もちろーんね。わたしの国、スウェーデンもサッカー人気ね。わたしの名前、昔イタリアのミラノで活躍した、トリオの名前が元ネタね」

元ネタの意味が解ってるのかは不明だが、グンナーさんはサッカーに詳しかった。

 

「そ、そういえばスウェーデンって、個性的なサッカー選手が多いですよね」

意外にも、佐藤がグンナーさんに話しかける。

 

「おー、そうね。ドレッドヘアだったり、空手家だたーりね!!」

「あー懐かしいなあ。オレがサッカーやってた頃に、活躍してた選手だ」

佐藤は、ほんの数週間程度のサッカー部歴を自慢した。

 

車の中は、グンナーさんと佐藤のサッカー談義で盛り上がり、ボクと池田さんはあまり話すことなく、隣の市へと入った。

 

「このスタジアム……プロサッカーチームの、スタジアムですよねえ?」

「そーね。ここ、もちょっと行ったトコに、練習場とクラブハウスあるね」

 

ボクたちは、巨大なサッカースタジアムを横目に、クラブの練習場へと向かう。

車は、大きなアスファルトの駐車場で留まった。

 

「佐藤先生、すっごくおおきな練習場ですね。わたし、初めてみました!」

興奮気味に、スマホで撮影を始める池田さん。

 

「オエエ……オレ、調子悪いし、帰った方が……」

車の中での饒舌からは、考えられないくらい落ち込む佐藤。

 

「ほら、別にお前が話すワケじゃないんだから、行くぞ!」

クラブハウスまで歩くと、ボクたちは二階の来賓室へと通される。

 

長い机にソファーが迎え合わせに設置され、ボクたちはそこに座る。

グンナーさんだけが、クラブハウスの方へと歩いて行った。

 

「おー、キミたちが社長から話のあった、例の漫画家のコたちか」

 

現れたのは、クラブチームのジャージを着た、おじさんだった。