企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)118話

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鶴の一声

「ボクに……合わせたい人?」

ボクは思わず、社長に聞き返してしまった。

 

「正直わたしもね。漫画にどれだけポテンシャルがあるのか、半信半疑だというのが本音だったよ」

 

社長の言葉に、宇津井さんも口を開く。

「そうですね。確かに、何かの商品の説明をする漫画であれば、有りかくらいにしか、思ってませんでしたね」

 

「それが熱い雪も降らない夏場から、ウチの商品をアピールしてくれているんだからね。むしろ今では、説明マンガの方が無いとすら思っているよ」

(説明マンガにも、良さはあるんですケドね……)と、心の底で思った。

 

「ところで、ボクに……」

「ああ、済まない。話がそれてしまった。実は、プロサッカーリーグのクラブチームの運営者なんだ」

 

「えええ!? そ、そんな、凄い人なんですか!!?」

思わず、声のトーンが高くなる。

 

「ああ、実はウチもサッカー関連のスパイクやユニホームを扱っている縁で、付き合わせてもらっているんだよ」

社長はいたって冷静に説明する。

 

「グンナーくん。もし良かったら、明日くらい彼と佐藤先生を、大倉野さんのところに連れていってやってくれないか?」

 

「オーケーね、わかりまーした」

社長の鶴の一声で、ボクと佐藤とグンナーさんの予定は決定された。

 

帰ると直ぐに、アパートに佐藤を呼び出す。

「オエッ!! ゲホッ!?」「大丈夫か、佐藤?」

「グエッ……大丈夫じゃない……胃液が……逆流して!?」

 

相変わらず、コミュ障の佐藤だった。

「そんなんで、明日行けるのか?」

「か、勝手に決めてきて置いて、なんだその言い草は!!?」

 

「だって相手は社長だぞ。断れる雰囲気じゃ、無かったんだよ」

「そこを断っての、お前だろうが!?」

 

「どうしてそうなる!? むしろ、お前の連載が認められて、プロの漫画家として契約するんだから、いいコトじゃないか?」

「た、確かにそうだが……人には、身の程というのがあると思わんか?」

 

「池田さんも、佐藤先生は凄いって言ってたぞ?」

「ま、まさかお前……彼女にまで、連絡したのか!?」

 

「ああ。明日は午前中で学校を切り上げて、来るそうだ」

「そんなコトが、許されるのか?」

「芽美や池田さんの学校は、商業高校だからな。許されたみたいだぞ」

 

「逃げたい……いや、今すぐオレは逃げる!!」

「まあ待て。オレがちゃんと、フォローしてやる。お前はただ、黙って座っていればいいんだ」

 

「本当か!? ウソだったら、ただじゃ……」

「多少うなずくくらいは、してもらうと思うが?」

「ま、まあ、それくらいなら……」

 

前日から緊張でカチコチの佐藤も、何とか了承する。

 

世の中、事後承諾などいくらでも転がっているという現実を、ボクは知った。