企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)121話

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総合スポーツクラブ

「なんかオレ……ボ、ボクも、噂には聞いていたんですが、やっぱそんなに影響があったんですか?」

佐藤が身を乗り出して質問した。

 

「そりゃああったよ。当時はアニメも終わっちゃってたケド、アニメを見た子供たちががサッカーを始めてね。そこから黄金世代と呼ばれる選手が生まれ、日本サッカーが世界に飛躍するきっかけにもなったんだ」

大倉野さんは言った。

 

「も、もしオレが描いたサッカー漫画を読んで、一人でもサッカーを始めてくれる子供がいたら、感動して泣くぞ、オレ!」

 

「も、もう一人や二人、いるんじゃないでしょうか?」

池田さんが言った。

 

「いや~、それは無いだろう?」

「でも、大野先パイとSNSのチェックをしてたとき、けっこーありましたよ。そう言う描き込み」

 

「うん、オレもあると思うぞ。お前の漫画、長期で人気だし」

「マ、マジで!?」

佐藤は、自分の漫画のポテンシャルに気付いてなかった。

 

「ボクもね。漫画のポテンシャルは、解っているつもりなんだ」

「い、いやでも、国際的に知名度のあるスペシャル漫画と比べられても?」

 

「まあ、流石にそこまでは……」「で、ですよね……アハハッ!」

大倉野さんの言葉に、一安心の佐藤。

 

「でも、そうだなあ。漫画って、まだまだポテンシャルを活かし切れてないと、ボクは思うんだ」

「と、言いますと?」ボクは自分の意見を押さえ、聞き手に回る。

 

「例えばウチは、サッカーのクラブチームだケド、ヨーロッパのクラブは、サッカー以外に色んなスポーツを取り入れた、複合スポーツクラブなんだ」

 

「え、そうなんですか!?」

池田さんが、驚きの声を上げると、佐藤が説明し出した。

 

「そうだよ、池田さん。有名どころじゃ、スペインのクラブはサッカー以外にバスケっとかやってるしね。ドイツじゃ、卓球があったりとか、国や地域によって色々あるんだよ」

 

「そう。日本でも、ウチはサッカーだけなんだケド、バスケやスキーとかやってるクラブもあってね」

大倉野さんの台詞を、佐藤が横取りする。

 

「ヨーロッパじゃ、スポーツクラブに行けば、色んなスポーツが楽しめるし、観戦もできる。日本じゃまだまだ個別運営で、活かしきれてない部分もあってね」

「そうなんですかあ! さすがは佐藤先生ですゥ!!」

 

「に、日本の縦割り行政の弊害なのかなあ。ボクとしては、同じ敷地に色んなスポーツのできる施設を集めた、総合スポーツクラブが理想なんだ」

 

「つ、つまり、大倉野さんは……」

 

「ああ、クラブの一部門として、サッカー部門と共に、マンガ部門があっても面白いんじゃないかって、思ってね」

大倉野さんは言った。