企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)126話

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説明マンガの先

「あ……あの、成瀬さん?」

漫画を読み終わって、冷静になっていた成瀬さんに声をかける。

 

「イヤ……まあ、オレも漫画は良く読むんでな」

タブレットをテーブルに置き、コーヒーを飲む成瀬さん。

 

「お、お前ら、コーヒー飲むか? の、飲むよな? ま、待ってろ」

成瀬さんに指示された、おばちゃんのお盆に乗せられて、自販機のコーヒーが運ばれて来た。

 

「まあ飲め飲め。確かにお前んトコのは漫画メインで、ホームページってより漫画雑誌に近い感じだな。ウチも大倉野のトコのホームページ作ってるから、ライバルになると思ったが……」

 

成瀬さんは、漫画を読んでいるより遥かに短い時間、考えた。

「ウシッ、お前んトコとは、良好な関係が築けそうだ。今の時代、デザイン事務所なんて横並びで個性を付けづらいが、これならいけるかも知れん」

 

「そ、そう言っていただけると、有難いです」

とりあえず、胸を撫でおろすボク。

 

「オレんとこも、説明マンガなら過去に何度かやったコトがあるんだわ。別に、失敗ってワケじゃなく、手ごたえもあったんだが、後が続かないのよ」 

成瀬さんが言った。

 

ボクは、どうして説明マンガではダメなのかを説明しようとしたが、踏みとどまった。

 

「実はよ。オレも、何件か説明マンガを受けるウチに、気付いたコトがあんだわ。それが、最初の頃に受けた説明マンガに比べて、今の説明マンガは商品やサービスに関係ないストーリー部分が、ガンガン増えてんだ」

 

「え? そうなんですか?」

「ああ、例えば『漫画で説明する○○……』みたいな本、あるじゃん。アレなんか典型で、最近だとマジで破天荒なストーリーが入ってたりすんだよね」

 

「あ、その本、わたしも読みました。面白いストーリーを読んでるウチに、色々学べちゃうんですよね」

池田さんが言った。

 

「そう、キミも解ってるねえ。そうなんだよ、だったら企業漫画を連載するのも有りなんじゃないかって、頭のどこかで思ってたんだ。……ウ、ウソじゃないぞ?」

誰もウソだなんて言ってないのに、成瀬さんは念を押す。

 

「確かに、これ行けるのかもなあ。大倉野んトコも、サッカークラブのクセに漫画を連載するつもりでいるみたいだしな?」

横柄な脚を組みなおす、成瀬さん。

 

「このまま、他のデザイン事務所と差別化も出来ず、値下げ競争に巻き込まれるよりは、漫画家を大勢抱えてるお前んとこと、業務提携を結んだ方が良さそうだな。よし、まずウチが、お前んとこのネット漫画雑誌の宣伝をしてやるよ」

 

成瀬さんの眼が、ギラギラと輝き始める。